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第72話
独り占めしても良いのか?
本当に?
どうしても兄弟と一緒に育ったせいか独り占めという言葉に少し抵抗がある。
我が儘ではないか。
贅沢ではないか。
勿論、恋人を独占したい欲はある。
それでも、育ちが邪魔をする。
「ま、俺も独り占めするけどな」
ゆっくりと顔が近付いてくると、ぎゅっと目を瞑る。
すると、すぐにちゅっと唇にやわらかなものが触れた。
やわらかくてあったかくて、少しだけアルコールの味がする。
少しだけ顔が離れたような気がすると、今度は頬。
だけど、すぐに唇へと戻ってくる。
どこへのキスもすごく気持ち良い。
好きな人とキスをしているってだけでしあわせだ。
キスを受けていると大きな手が服の中へと入り込んできた。
薄い腹を撫でながら這い上がってくる大きな手。
「…っん」
「ソースとマヨネーズの味すんな。
うめぇ」
「っ」
「酒の味するか?」
頭を上下させると、不味いか?と更に言葉が紡がれる。
今度は左右に振って否定。
すると、またちゅっと唇が触れ合う。
「なら、もっとしような」
キスをしながらも長岡は器用に手からたこせんを取り上げると皿の上へと置いた。
つい目を開けてしまうと、自分を見ている長岡と目が合ってしまった。
すぐにまたぎゅっと瞑り直すが、笑っているような空気になる。
それがためらなくえっちだ。
キスをしているところを見ているなんて長岡らしく、えっち過ぎる。
そのせいか、身体の奥が少しだけ熱くなる。
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