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第73話

頬を撫でられ今度は顔中にキスが降ってくる。 目蓋や耳、額にも。 「冷めちゃいますよ…」 「後でレンジであっためて食えば良い。 腹減ったら、後でもっと作るから」 耳元で言われ、吐息が耳に当たって擽ったい。 思わず肩を竦めて逃げてしまう。 「敏感」 「擽ったくて…」 「そういうのを敏感っつぅんだろ」 耳にキスをされたかと思えば、あったかい舌が縁を撫でる。 水音と共にあたたかな舌が耳をなぞった。 ゾクッとする刺激に手が口元へと動く。 その手を捕まれたかと思えば、自分の首に回すように誘導された。 慣れたように首に触れると、長岡の手が腰に触れる。 するりと撫でながら抱き寄せられた。 恥ずかしげもなくこういうことをしてしまう恋人に、いつも翻弄される。 大人でえっちで、クラクラする。 顔が近い。 睫毛の影さえ見える。 何度見ても格好良い。 そして、好きだと気持ちが湧き出てくる。 「明日も明後日も帰さなくて良いってやべぇな。 すげぇ贅沢」 「嬉しそうですね」 「んー、嬉しいに決まってんだろ。 俺の恋人なんだから」 真っ直ぐに目を見てくれる綺麗な目。 その目から滲む愛情に三条は溺れる。

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