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第76話

腹が膨れてる。 呼吸をする度に水が揺れそうな錯覚をする。 「限界の時は言えよ」 「限界です…」 そう言うや否や、顎を掴まれ顔を上げさせられる。 便意を我慢している顔を真っ直ぐに見られているが、それどころではない。 「まだだろ。 限界の時の顔じゃねぇ」 これだから記憶力の良い人には嘘をつけない。 何度も限界の顔を見ている長岡には、その時の様子と比較して今がまだ限界より数段階セーフ側にいるのが分かるのだろう。 それはその通りなのだが、それは漏らしても良い……良くないけど、場所だからであって。 今のように漏らしたら長岡まで汚れる場所ではないからだ。 汚れるどころか言葉通り汚物に塗れることになる。 そんなのは絶対に死守したい。 「ほんと可愛いな」 腕にぎゅっとしがみつき、排泄欲を我慢する。 大丈夫。 10分近く我慢させられたこともあった。 オンライン授業ばかりでトイレにいつでも行ける環境だったとはいえ、20を過ぎた成人だ。 大丈夫。 大丈夫…、であってほしい…。 「つい、いじめたくなるよなぁ」 腹に手が回ってきて、大袈裟なくらい身体が跳ねた。 擦るだけ。 撫でるだけ。 それが甘くて、つい気が緩んでしまいそうになる。 駄目だ…って、 風呂で漏らすとか絶対に駄目だ… 「…っ、」 「我慢出来て偉いなぁ。 後で、ご褒美やるからな」 腹をまさぐる大きな手とケツに当たる大きいモノの間でただ必死に耐えた。

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