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第79話

「トイレ行くぞ」 腕を捕まれ、立ち上がるように誘導される。 「ゆっくり…、漏れそ…」 湯船を跨ぐのがキツい。 転ばないように、滑らないように、と気遣ってくれるのは分かっているが、それでも浣腸されている状態ではそれでも早い。 ぎっくり腰になったことはないが、それくらいゆっくり動かなければ漏らしそうだ。 「我慢出来ねぇだろ。 ほら、タオル」 肩にバスタオルをかけ、トイレのドアを開けてくれる。 行為は優しいが、そもそもシャワーのお湯を浣腸した張本人だ。 それでも嫌ではないのは愛した弱みなのか。 いや、強みか…? 「……まさか」 「見るだろ。 キスをしながら出すか?」 「変態…」 「褒め言葉だろ」 真っ裸で目の前にしゃがみこみ、見上げてくる長岡の方が冷えそうだ。 排泄を見られたくないは勿論だ。 だが、風邪をひいてほしくないも本当。 それなら、服を着ていてくれた方が良い。 「風邪ひいちゃいますから…」 「なら、早く出しちまえよ。 1回で済まねぇだろ」 「…ほんとに…?」 「俺が冗談言ったことあるか?」 「沢山……」 真顔で冗談を言うじゃないか、は声にならず、聴かれたくない音をたてながら排泄してしまった。

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