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第97話

動くことも出来ない三条は、ただ長岡にしがみつきながら呼吸を整える。 長岡のにおいに混じる汗のにおい。 官能的で、本能的で、生々しくて好きだ。 自分より体温の低い恋人も、セックスで全身を動かしたせいでいつもよりあたたかい。 ひんやりとした体温も好きだが、これはこれでたまらない。 「大丈夫か?」 長岡の声は息が上がってはいるが大丈夫そう。 本当に体力はどうなっているのか。 「だい、じょぶです」 それに比べ、喘いだせいか声が霞んでいる。 喉が乾いたが動きたくない。 離れがたい。 そんな意思を読んでくれているのか、長岡はそっと頭を撫でてくれた。 呼吸が整ってくると同時に羞恥心も戻ってくる。 自ら腰を揺らす恥ずかしい姿を晒してしまった。 沢山強請った。 噛まれ、自分も噛んだ。 頭がグルグルと回転をはじめてしまい、別の意味で離れたくなくなる。 「抜いても平気か? 飲みもんとってくる」 「ぁ…」 後孔から萎えても大きいソレが抜け、つい声が出てしまう。 本当に恥ずかしい。 顔を背けてしまうも長岡は汗で貼り付く髪を梳くように剥いでくれ、後ろへと撫で付けてくれた。 こういう丁寧なところも好き。 「あついな」 「は、い」 「飲み物とってくるから待ってろ」 床に落とした着衣を拾いながら、部屋から出ていく背中を見送った。

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