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第109話
ベッドに横になるとこの1週間のことが思い浮かぶ。
すべてがはじめての1週間だった。
本当にあっという間で、なにを覚えられたのかすら分からないところもある。
けど、長岡や教科準備室の先生方はとても優しく指導してくれたり。
優しくされた記憶しかない。
「電気消すぞ」
「はい」
部屋の電気を落としても、枕元のライトがぼんやりと陰をつくる。
「疲れたろ。
好きな時に寝ろ」
「ありがとうございます」
「うん?」
腕にくっつくと長岡は目を細めた。
「あったけぇ」
「正宗さんもあったかいですよ」
「子供体温には負けるだろ。
明日はゆっくり起きて、飯食って、遥登の部屋の片付けもしような」
「良いんですか?」
「手伝うよ。
カーテン引っ掻けるとか、ほどいた段ボール片付けたり。
必要な買い出しもするし。
車あるからな。
嵩張るもんでもなんでも頼め」
「ありがとうございます」
「エロ本探そ」
エロ本なんて基本はスマホの中だと分かっている顔でニヤニヤしている。
かわらない優しさがとても嬉しい。
「そんなこと言ったら、馬車馬にしちゃいますよ」
「良いよ。
手伝えることあれば喜んでする」
甘えるように頬を擦り付けると今度は腰を抱き寄せられた。
「ゆっくり起きるんだからな。
アラームかけんなよ」
「はい」
ベッドのやわらかや長岡の体温に1週間の不甲斐なさが溶けていく。
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