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第114話

一通り満足したのは腕に籠る力が緩んだ。 「腹減ったろ。 悪かったな」 「なにが悪いんですか? 甘えられたら嬉し言っていったの、正宗さんじゃないですか。 俺も嬉しいですよ」 「生意気になりやがって」 離れることはしないが、盛り付けても良さそうだ。 「……丼1個しかないです」 「そうだろうな。 1人暮らしだし。 忘れてたのかよ」 「…俺、茶碗で食べます」 長岡と食べるからつい。 つい……、長岡の部屋のイメージが強くて。 確認不足の怠慢だ。 茶碗でも食べられるもので良かった。 「今度、この部屋にも買おうな」 「はい」 「だから、割り箸買ってきてたんですね」 「まぁな。 学校にもあると楽だぞ。 箸忘れる生徒もいるしな」 「なるほど。 そういえば、もらいに行ってる人いましたね」 「だから、気にすんな」 やはり長岡は大人だ。 こういうところで歳の差を感じる。 子供の目線で見てくれているようで、大人だ。 「正宗さん、大人です」 「おっさんに対してなに言ったんだ。 出会った時からおっさんだろ」 「またおっさんて。 今の俺とそう年齢かわらない歳だったじゃないですか。 俺もおっさんですか?」 「遥登は子供だろ」 腹を撫でながらなにを言うのか。 子供に発情出来るのかと言えば、大方子供じゃなくて遥登に発情してんだよと言うのだろう。

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