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第135話
「ただいま戻りました」
「お疲れ様です」
確認テストを抱えて戻ってきた自分をにこにこした顔で迎えてくれる準備室の先生方の顔を見て、授業を終えたのだと思った。
たった1週間だが見慣れてきて人たちだ。
安心感がある。
長岡の姿がないのは、長岡もこの時間は受け持ちがあるから。
教師が少なくなってきている皺寄せは教師内でなんとかするしかない。
それとこれとは、生徒には関係ないのだから。
苦だと思えば苦しいが、今はなんでも経験だと思えているので大変だと思う余裕もないのが正直なところだ。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。
三条先生のクラスどうした?」
「良い子でした」
「今だけですよ。
先生、若いからすぐに絡まれますよ」
そんな理由で絡まれたらこわいが、確かに記憶にある。
カースト上位の上級生グループは確かに長岡に絡んでいた。
あの時は見た目が良いからだと想っていたが若さも理由の1つだったのかもしれない。
自分の席に腰かけたところで、またドアが開いた。
「お疲れ様です」
聞きなれた声。
それに振り向くと教師の顔をした長岡がいた。
昨日の顔はどこへやら。
きちんとした大人の顔で、営業用みたいな微笑みを称えている。
「三条先生もお疲れ様です。
どうでした」
「良い子でした。
テストも頑張ってました」
「三条先生の方ですよ」
「俺、ですか…?」
俺は…
「…緊張しました」
「花丸です」
懐かしい言い方にハッとする。
そして、今度は心の底から安心をした。
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