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第148話

仕事の最中にスマホが震えた。 こっそりロック画面を覗くと、差出人は弟。 『兄ちゃんが部屋に帰ってから、都合良ければ通話したい』 時刻は18時を指そうとしている。 まだ残業というほど時間は経っていない感覚だ。 けど、弟たちにとっては定時を過ぎだ時刻か。 最近は居残りをしがちで、いつも長岡が食事の用意をしてくれていた。 洗濯までしてくれている。 申し訳ないと思いつつも、持ち帰れないものは学校で処理するしかないのでついのめり込んでしまう。 リズムを掴めるようになるまでは甘え良いという言葉に甘えて。 いや、甘えすぎている自覚はある。 18時30分…いや、15分には終わらせたい… 20分には準備室を出て… チラッと隣を見ると、パソコンに向かっている長岡。 そろそろ帰宅する時刻だ。 部活動の指導さえなければ長期休みや年度頭は比較的帰宅しやすい。 それでも、長岡は1時間ほど居残りをしている。 疲れてるのはお互い様だろって。 だからこそ、甘えすぎたくない。 そんなおんぶにだっこは俺が嫌だ。 弟たちには申し訳ないが、もう少しだけ時間がほしい。 わかった、帰ったら連絡する、と短く返事を送りまたパソコンへと向き直った。

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