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第150話
久し振りというほど日数は経っていない駅舎に降り立つと、すぐに見知った頭が駆けてきた。
「はう…っ」
「綾登、迎えありがとう」
「んーん」
「優登も、ありがとう」
「ん、任せろよ」
部活帰りらしい生徒もちらほら見られる中、末の弟を抱き上げた。
だっこくらい良いだろう。
噂になっても構わない。
可愛い弟だ。
ICカードを片付けるのもそこそこに小さな身体を抱き締める。
「あいたかった」
「もっと早く来なくてごめんな」
頭を降ってはいるが、さっき見た顔は泣きじゃくったせいで鼻の頭も目も真っ赤だった。
ポンポンと背中を擦るとより一層甘えてくる。
「帰ろ。
鞄持つよ」
「助かる。
けど、重いぞ」
「俺に言うか?」
持ち帰れる物は持ってきたので重い。
ずっしりとした鞄を手渡すと視線がこちらに来たが、先に重いと提示した。
「ブラックじゃん」
「新人だからな」
「はう」
「ん?」
「へへっ、はうだ」
その言葉に一番嬉しそうにしたのは次男だった。
「うん。
俺だよ」
「かえろ」
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