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第156話
一度部屋に戻ると着替えてすぐに出勤した。
そこからまた授業や授業の擦り合わせ、庶務とこなしていき、漸く昼休憩。
今日は時間が過ぎるのがあっという間だった。
すっかり冷めてしまったコーヒーで喉を潤してから、隣の席へと声をかける。
「せんせ」
「ん?
どうした。
おかずいるか?」
長岡はそう言うと給食センターのお弁当を差し出してきた。
「いえ。
タッパーに詰めてもらって。
先生こそいりますか?」
「良いのか?」
「はい。
あ、人が作ったの…平気ですか」
言いながら気が付いたが、平気じゃなければ自分の用意した食事は口にしないだろう。
「いただきます」
たまご焼きをぱくっと頬張ると長岡の目が大きくなった。
「ん。
美味しいな」
「本当ですか?」
「うん。
すごく美味しいです。
あ、で…なにか用ですか」
「あ、はい。
昨日持ち…帰りをしたんですけど、分からないところがありまして…」
持ち帰り、という言葉に長岡の顔が渋くなった。
だが、長岡が1番聴きやすい。
「休憩時間が終わったら教えます。
なので、休憩時間は休憩してください」
「はい」
「それと。
やっぱり、おかず食べてください。
貰いっぱなしは気になります」
胡麻のまぶされた魚の焼き物が差し出され、今度は三条が渋い顔をした。
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