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第157話
「おかえりなさい」
「ただいま」
今日は残業はもうおしまいだ、と長岡と一緒に準備室を出た。
その長岡は買い物をして今帰宅だ。
一足先に帰宅した三条は洗濯物を畳んでいた。
それからワイシャツのアイロンがけも。
そんなことをしながら待っていると、玄関から解錠の音が聴こえ廊下に出るとエコバックを手にした長岡が帰ってきた。
「で、昨日は何時までしてたんだ」
「それは…」
長岡の目が無いのを良いことに結構遅くまで起きていたなんて言えない。
帰宅早々、問い詰められるなんて。
そこまで心配させてしまったことが申し訳ない。
「ちゃんと眠れたのか?」
大きな手が頬に触れると、ぐいっと薄い肉を撫でた。
「それは、はい」
「なら、良い。
睡眠だけはしっかりな」
「はい」
「飯も美味かったか?」
「はい。
あ、そう言えばお昼のたまご焼き、なにかありましたか?」
思い出すのは昼の時間に見た長岡の顔だ。
「あー、遥登の作るたまご焼きの味にすげぇ似てたから」
「似てますか?」
「遥登の方が好きだけどな。
けど、似てた。
あの味で育ったんだなって」
穏やかな目は真っ直ぐに自分を見詰めていて。
だけど、どこか背後を見ているようにも思える。
きっと、実家と言う育ってきた背景が長岡の目に濃く写ったんだろう。
「俺は正宗さんの焼いてくれる目玉焼きも好きです」
「じゃ、今日の晩飯に食うか」
「本当ですかっ!
やった」
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