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第164話

金曜日にもなると土日が恋しくなる。 生徒だけではない。 教職員もだ。 人間だからな。 「先生、お時間大丈夫でしたら確認して頂けますか」 「大丈夫ですよ」 「お願いします」 教員一年目はレポート、レポート、勉強、レポート、の毎日だ。 三条も例外ではなく毎日チマチマ書き進めている。 内容も三条らしく真面目で勤勉さの伝わってくるものだ。 よくこのレベルのものを書けるなと感心する。 チラッと本人を一瞥すると、不備があったと思われたのか不安そうな顔をする。 三条には申し訳ないが、この顔もたまらない。 「よく書けてますよ。 安心してください」 「でも…」 「嘘なんて吐きませんよ。 信じられませんか?」 初々しい社会人らしい出で立ちに、不安そうな表情が混じるとどうにもいじめくなってしまう。 授業がはじまってから恋人らしい接触と言えば日々のハグやキスくらい。 この二週間ほどはセックスしていない。 同じ部屋で多くの時間を過ごしているので処理は簡単に済ませているし、それでも大きな問題はない。 身体だけでも欲しかったのは確かだが、身体だけが好きな訳ではない。 「お世辞とか…」 「そんなの言っても僕に得はないですよ」 「そう…ですね」 確かに、と表情がかわる。 本当に表情が豊かだ。 見ていて飽きない。 寧ろ、表現をコロコロかえさせたいと思うのは意地が悪すぎだろうか。 「提出しても大丈夫です。 はい、ご褒美ですよ」 手のひらに落とすのはキャラメル。 これも定番になりそうだ。 なにしろ、三条を甘やかすのはしこたま楽しい。

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