173 / 189

第173話

「おいしー!」 「俺が作ったからな」 「ゆーと、すごい!」 「だろ」 楽しそうな弟たちの隣で、三条も大きな口でケーキを頬張る。 スーパーやコンビニのケーキより甘さ控えめだが、いつもよりは甘さがしっかりしてる。 弟の為に作られたものだから。 チョコレートも甘いミルク。 趣味で作る物はビターでもう少し大人の味だ。 両親も美味しそうに舌鼓を売っている。 「はぅ、おいしい?」 「うん。 美味しい。 優登の作るケーキはいつも美味しいな」 「うんっ」 「兄ちゃんにはブランデーケーキもあるよ。 部屋で食って」 「マジで? 嬉しい」 お酒は食べられないよぉと良いながらも綾登のフォークは止まらない。 「綾登には16年早ぇな」 「じゅーろくねんって、いくつ?」 「優登の歳」 「えー」 子供の時は20歳なんてずっと先のように思っていたが、過ぎてしまえばあっという間だ。 というか、20歳を過ぎてからは日々が早い。 大学生活をし、就活をし、就職し、労働し。 たった2年ほどで生活すらかわったんだ。 流石にここから更に20年はもっとゆっくり充実させたいが、きっとなすがままの20年なんだろう。

ともだちにシェアしよう!