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第174話
「やっと連休だな。
ダラけて過ごそうな」
「はいっ」
部屋に帰ってきた三条を迎えてくれるのは、大好きな恋人の笑顔と味噌汁の良いにおい。
その安心感に腹が早く飯を食えと催促してくる。
思わず鍋の中を見ると、なんとも美味そうな味噌汁が湯気をたてていた。
「根曲がり竹ですか?」
「あぁ、もらったんだよ。
遥登が実家帰ってた時に、俺も実家に顔出したんだよ。
柏たちの飯とかおやつとか。
そしたら、近所の人から味噌汁にすると美味いってもらったっつって。
昨日食ったけど、遥登とも食いたかったから作った」
「嬉しいです」
大きめに切られた根曲がり竹の子が長岡の作った食事らしい。
雪の重みで根本が曲がるから根曲がり竹だったり、姫筍、月山筍なんて呼ばれたりする細い筍は、大きい筍よりえぐ味が少なくシャキッとした歯触りもする。
水煮は一年中いつでも買えるが、旬の生のものはまた別格だ。
「味見するか?」
「良いんですか?」
「好きな子は特別な」
なら、早く手洗い嗽をしなければ。
素早く、けどしっかりと…。
「好きな子…」
「好きな子だろ。
今更気が付いたのか?」
「だって…。
すごくサラっと言うから…」
「好きじゃなきゃ勃たねぇよ」
「……言い方、」
「1日くらいは恋人らしく過ごそうな」
この顔に弱いと分かってやっているのならたちが悪い…。
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