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第196話

「歩けるか?」 「歩いてますよ」 コンビニまでは差ほど距離がある訳でもない。 なのに長岡は心配そうにこちらを見てくる。 大きく脚を拡げられ、腰を掴む手だって雄々しくて。 コンビニにも誘った張本人だ。 なのに、こんなに気遣ってくれる。 歩くのもいつもよりゆったりしている。 そんなに心配しなくても大丈夫なのに。 やっぱり身体が細いからだろうか。 もう少し筋トレを頑張りたい。 月明かりがぼんやりと雲に隠れると、街灯の灯りが濃くなる。 なんだかそれが大胆にしてくれる。 「パプコ半分こしてくれますか?」 「あぁ。 当然だろ」 どうせなら一緒に食べたい。 そんな願いは簡単に叶えてもらえる。 にこにこで隣を歩いていると、手にそれがぶつかった。 「なら、月見大福半分こしてくれるか?」 「はいっ!」 「2つ食おうぜ」 「やった! 嬉しいです!」 甘々に甘やかしてくれる恋人。 だから好きだなんてことはないが、そういうところも好きだ。 この顔に溺愛されたら誰だってイチコロだろうけど。 「明日のパンも買うか? 目玉焼き焼くぞ」 「ラピュタパンですか」 「好きだろ」 「はいっ。 大好きです」 大好きなのはどっちもだ。 久しぶりの深夜のデートに頬の筋肉がゆるゆるだ。

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