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第197話
あたたかなものに抱き付くと、良いにおいがする。
大好きなにおいだ。
まだ眠たい目をぼんやりと開けると大好きな人がそこにいる。
「早ぇな。
起こしちまったか」
「…おはよ、ございます」
「はよ。
まだ寝てて良いぞ」
「ん…、まさむねさんは」
眠い目を擦ると、交代だとばかりに大きな手が伸びてきた。
すりっと頬を撫で甘やかす。
「トイレ行くだけな」
「まってます」
身体を起こそうとするのを制され、せめて横になっていろと念押しされる。
そんなに言うことを効かないと思われているだろうか。
ちゅっと額にキスを落とされ、背中を見送る。
物凄く眠いが時間も気になる。
スマホへと手を伸ばすも、画面が眩しくて目が開かない。
まぶし…
5時、…21分……
コンビニから帰ってきてアイスを食べて、少しだけ更にイチャイチャして、歯磨きをして。
ついさっき寝た気がしていたが、本当にその通りだ。
入眠してすぐに目が覚めたらしい。
アラームをかけずに眠っても良いのに、そういう時に限って目が覚めてしまうのはあるあるだ。
「スマホ見てっと眠れねぇぞ」
「…おかえりな、さい」
「ん。
水が冷たかったからあっためてもらうぞ」
ベッドに潜り込んだ長岡はぎゅっと抱き締めてくる。
それが嬉しくて、もう時刻もスマホもどうでも良い。
「起きたら起こせよ」
「…はい」
「おやすみ、遥登」
「おやすみ、なさい…」
もう目蓋が重い。
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