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第198話

約束通り、トーストに目玉焼きを乗っけると恋人は嬉しそうに頬を緩ませた。 「美味しそうです!」 「チーズものっけたからな」 楽しみだと笑うその顔はチーズのお陰か。 コーヒーも用意出来ていて、時間を覗けば完璧な朝食だ。 時間? そんなものは昼だ。 アラームをかけずに寝るのが社会人の休日の贅沢だろう。 三条もそれに漏れず、しっかりと寝てから自然と目を覚まし昨夜のセックスで使った分の体力を回復させている。 「遥登のためならチーズくらい いくらでものっけてやるよ」 「嬉しいです」 「うし。 食おうぜ」 「はいっ!」 賑やかしに点けたテレビからは再放送のバラエティー番組が長閑な景色を映す。 あまりに家庭的でトキメキもない。 だけど、とても贅沢だと思うのは誰が隣にいてくれるかの問題なんだろう。 この子が隣にいてくれれば、この顔でいてくれれば、それ以上のことはない。 「いただきます」 「いただきますっ」 弾む声を隠すこともなくトーストに噛り付く。 黄身のやわらかさに少し慌てつつも、伸びるチーズにご機嫌になり、コロコロかわる表情が豊かだ。 「黄身がとろとろで、美味しいです…っ」 「そういう顔してる」 同じ様にトーストに噛り付くと、チーズの塩味に目玉焼きのやわらかさが口のなかでしあわせになる。 「正宗さんも美味しそうな顔です」 「遥登と一緒に食ってるからな」 これから洗濯して、ワイシャツにアイロンをかけて。 ゴールデンウィークをダラダラ過ごすためにまずすべきことが沢山あるが、まずは腹ごしらえだ。

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