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第214話
ガス栓、窓、換気扇と確認してから漸く部屋を出る。
施錠をしていると長岡は少しだけ身を屈めた。
「先に帰っててくれるか。
スーパー寄ってくる」
「俺が行きましょうか?」
「なんで主役がスーパー行くんだよ。
ハンバーグ買ってくるだけだ。
すぐに帰る」
そんなことしなくても…と思うが、逆の立場ならとことん祝いたい。
素直に頷く他ない。
こうゆう時、共感力はあった方がいいのか分からなくなる。
そんなのいいから一緒にいたいと思うのも相手が大好きな人だから。
沢山お祝いしたいと思うのも、相手が大好きな人だから。
「すぐ帰るよ。
寂しがるなって」
「別に…そんなんじゃ…」
「ちげぇの?」
「……早く帰ってきてくださいね」
長岡は満足そうに目を細めた。
優しくて、真っ直ぐで。
マスクで顔が隠れてても分かる愛情を滲ませている。
「任せとけ」
外だから最低限の接触だ。
あくまでも友人の距離感。
同僚の間隔。
けど、隠さない愛情表現につい照れてしまう。
「昼寝して体力復活させとけ」
「外ですよっ」
「やましい意味じゃねぇよ」
鍵をポケットに入れると、その手に同じものが触れた。
すりっと甲を撫でてすぐに離れる。
この人は本当に…
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