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第219話

長岡が野菜を切る横でレタスをちぎる。 時々お菓子が口に入れられるという行儀の悪さ。 だけど、その度に誕生日だからと甘やかされていた。 「遥登、悪いこと教えてやるよ。 ほら」 長岡は冷蔵庫から缶を取り出し渡してきた。 「え、ビールですか?」 「作りながら飲むのが最高だよな」 わっるい顔をして、カシュッと小気味良い音をたて開栓した長岡に目を丸くする。 まだ日の高い時間だ。 良いのだろうか。 「はい、交換」 開封済みの物と交換され、長岡はそちらも開けてしまう。 そして、ゴチッと缶をぶつけてきた。 「乾杯」 「わっ」 思わず缶と長岡の顔を交互に見てしまうが、長岡は気にすることもせず喉仏を上下させた。 綺麗な顔とは裏腹に、ゴッゴッと喉へと流し込んでいる。 それが美味しそう。 「いただきます」 「おう」 誕生日だから。 だから、今日くらい良いか。 同じように飲むと冷たくて美味しい。 それに解放感がすごい。 昼からアルコールなんて。 「ハイボールも入ってるからそっちにするか?」 「正宗さんと同じのが良いです」 「たまにはこんな日があっても良いだろ」 「はい」 長岡が意図することはなんとなく分かる。 だから、甘える。

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