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第240話
こうして“あげた”“もらった”体でいると同じ物が食べられるのか。
「しょっぱくないですか」
「はい。
大丈夫です。
美味しいです」
他の教諭たちに背中を見せる長岡はそれを良いことにやわらかく微笑んでいる。
こんな顔他の人が見たらどんなに喜ぶことか。
それでもそれをしないのが長岡の良いところだ。
仕事中は教職員として振る舞う。
それがしっかりと区別出来るからこそ、この関係がバレずにいられるんだから。
「三条先生はおにぎりの中味、なにが好きですか」
「鮭も好きですしツナマヨも好きです。
梅も美味しいですし…」
昆布も美味いし、タラコも美味い。
今食べてるおにぎりのようにからあげや天ぷらも好きだ。
知ってるのに。
「じゃ、鮭もどうぞ」
「え?」
ぽんっと手のひらにのせられたもう一つ。
お弁当もあるが良いのだろうか。
ふと見るとおにぎりに付箋が貼り付けてある。
『少し居残るから、今日は買った飯でいいか?』
小さく頷くながら「ありがとうございます」と返すと、長岡は一つ頷き前を向いた。
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