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第246話
ベッドに寝転ぶと隣から腕が伸びてきた。
あたたかいそれが自分をぎゅっと包む。
「どうした?」
「甘えて…ます…」
さっき言ったことをこうも素直にされるといじらしくなる。
可愛いよな。
これで成人した男なんだぞ。
「あったけぇ」
「寒いですか?
ふとんかけましょうか?」
「遥登の方が良いな」
腕を退かされないように手を重ねた。
あったかくて骨張ってて、ほんの少し小さくて。
しっかりとした男の手だ。
三条だと分かる。
それが、とても愛おしい。
「次の連休は7月か。
まだまだ先だな」
「そうですね。
なにかしたいことありますか?」
「んー…、そうだなぁ。
生徒に会いたくねぇしちょっと遠出したい気もあるけど、どこって話でもねぇしなぁ」
都会の方へ出掛けるのも良いが、何処へ?と聞かれれば答えに困る。
A組の元生徒たちに会う可能性もある。
そういうのを考えると県外だから安心ということもない。
客室ですべて済ませられる旅館は良いが三条は遠慮するだろうし。
「どこにも行かなかったらホットプレートご飯食べませんか」
「うん?」
「焼きそばとかお好み焼きとか。
焼き肉も出来ます」
「良いな。
楽しそうだ」
隣へと視線を移すと三条はにこにこしている。
本当に欲のない子だ。
けど、そういうところが素直で好きだ。
「昼から飲んだりして食っちゃ寝するのも楽しそうだ」
「はいっ」
まだ2ヶ月先の話だが、なにか考えておこう。
この子と過ごせるならそれが1番だが、たまには部屋の外も。
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