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第250話
魚を食べていると、古津は行きたくなさそうな顔をして準備室から出ていった。
昼休み中で生徒たちの賑やかな声が響いているだけに余計気が重そうだ。
あの言い方から悪いことではない─大方事務関係の書類の不備や確認─だろうとは思うが。
重要であれば人に言付けなんてしないだろう。
とは言え、呼び出しはこの歳になっても嫌なものだ。
それは激しく分かる。
同じく動く人を視線で追っている隣と目が合った。
もぐもぐと動く口元をサッと隠す動作が三条らしい。
こういうところで育ちが分かるからこわいもんだ。
そのままコツ…とジャケットポケットを指差した。
取り出したスマホをスイスイと操作しメッセージを送る。
『今日は早く帰れそう
晩飯はなに食いたい?』
『正宗さんは和洋中どの気分ですか?』
『肉食いたい』
三条は米をまた一口口にした。
『昼飯食いながらだと難しいか?』
『豚キムチが食べたいですけど、においが気になるので…
食べるなら週末がいいです』
なるほど。
そういう間だったのか。
今食べてる魚の竜田揚げを考えると肉といっても唐揚げや揚げ物は被ってしまうから思い付かなかった時の最終手段だ。
『エビチリは?
たまご焼きと米にのっけるやつ』
『最高です
でも、肉じゃなくていいんですか?』
『構わねぇよ
今、魚食ってるから肉ってだけだ
食いたきゃ惣菜買うから気にするな』
『俺も早く帰れるように頑張ります』
それには返事を送らず三条本人へと視線をやると、隣もそれに気が付き目が合った。
堪えつつも少しだけ嬉しそうにするのがとてもいい。
最近の三条はより忙しそうにしているので、少しだけ肩から力を抜かせないと心配になる。
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