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第251話
モグモグと頬袋を膨らませるのを横目で見ながら昼飯を食べていると、ノックの音が聞こえてきた。
「先生いますかー?」
「どの先生ですか」
「イケメンの先生ぇ」
楽しそうな女子生徒の声に隣が動いた。
声で誰か分かったのだろう。
聞き覚えがないということは担当ではない、過去の担当でもないということだ。
「はーい、イケメンの先生ですよ」
「先生、ウケる。
長岡先生の前で言うんだ」
「あれ?
悪口言われてる?」
こういうところが五十嵐先生の好かれる理由だ。
気さくで等身大で。
飾らないところが生徒は嬉しいんだろう。
三条も気になるのか見えないのにドアの方へと視線をやった。
「これ昨日出し忘れたプリント。
ちゃんと持ってきたよ」
「はい。
ちゃんと受け取りました。
明日のテストは大丈夫そう?」
「難しい?」
「授業で教えたところしか出てないと思うよ」
「補習の方が楽そう」
「そんなこと言わないで明日だけ頑張って」
三条は少しだけ笑った。
それからこそっと話し掛けてくる。
「あぁいう会話懐かしいですね」
「そうだな。
吉田がよく聞いてきたな」
いつだってあの日に戻れるような気がするが、隣にそうはならない証拠がいる。
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