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第258話

「じゃあ、よろしくお願いします」 「はい」 テスト用紙を受け取り、廊下に出るとピリッとした空気が肌を指す。 自分たちが学生の頃はあまり気にかけたこともなかったが、立場がかわるとこう感じるのか。 「そろそろはじめますよ。 大丈夫ですか?」 ロッカー前で虚無の顔をしている生徒に声をかけると、そろそろと教室に吸い込まれていった。 久しぶりにあぁいう顔見た… 大丈夫じゃなさそう… ここまできたらなるようにしかならない。 小学校のテストのように満点をとらせることを目的とはしていないが、授業で教えたことしか出ない。 だからこそ赤点というラインが引かれている。 …なんてのは、教師側の言い分で生徒にとっては違うものだ。 けど、テスト明けに繁華街に行って遊んだり気心知れた友人と食べたラーメンはいつまで経っても忘れないものだ。 テストより大切なものっていうのは案外そういうところに転がっているように見えるものなんじゃないかと思う。 「少し早いですけど、いてもいいですか?」 「先生、テスト難しい?」 「俺からはなんとも…。 でも、授業でした範囲からしか出題はありませんよ」 「誰がつくったの?」 「後で質問はないか来られますよ」 「三条先生じゃないんだ」 パソコンも持っていき雑務をこなしても良いと言われたのでそれに甘え持ってきた。 三条にとってもはじめてのテストになるのでどれくらい余裕があるか分からない。 長岡は案外出来るもんだと言っていたが。 ドキドキするのをいつもの顔で隠す。 チャイムが鳴るとみんな渋々席に着き、持っているプリントやノートを鞄へと隠した。 「テスト用紙配りますね。 不備があったら教えてください。 交換します」

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