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第259話

腕時計を見て開始を伝えると、テスト用紙の上をペンが走る音だけが響く。 やっぱり不思議だ。 あっちの席に座っているつもりのなのに、ここにいる。 いつまでも生徒のつもりさないが、どうしても慣れない。 まして元担任がいるとなれば、どうしても意識が学生時代に引っ張られてしまう。 長岡のつもりにするつもりもないが。 今のうちに進められるところやっちゃうか 最初の問題は簡単だ。 不正をするにはまだ早いと教えてもらった。 時々顔を上げたり、教室内を歩いたりと、未然に防ぐこともきちんと意味がある。 不正をさせないこと。 それが大切らしい。 未然に防ければ不正にはならないからだ。 少し進めては顔を上げ、消ゴムの落ちる音に駆け寄り。 そして、ふと窓の外を眺めた。 穏やかな天気にうっすらと暑さを感じる気温。 よそよそと木の葉を揺らす風が窓から入り込んでくる。 すると、ノックの音がして、そこには担任が立っていた。 「不備はありませんか?」 「はい。 大丈夫です」 問題にミスがなければさっと教室を回るだけ。 長岡は学校用の顔を貼り付け質問はないかと問いてから教室を後にして行った。 少しだけ、あの日に戻ったような気がしてなんとなくエモーショナルな気持ちになってしまう。 切り替えて仕事しなきゃな 今日は早く帰りたい。 長岡にばかり家事を任せたくない。 そう切り替え仕事を向かった。

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