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第12話

 琉唯が身体を震わせている男に言って、屹立を模した小型のバイブにローションを塗り付け男に見せつける。男はやめろと拒否しているが、琉唯は構わず男の後孔にそれを突き入れた。 『あああぁ…ぅ…ぁっ…動かすなっ…ああっ…嫌だっ…』 『こっちも触って欲しいだろ?』  嫌だと喚く男の屹立に琉唯の手が伸びる。屹立を扱かれ、後孔を責められて男の腰がガクガクと震えだす。 『ああっ、…もうっ…イク…ぁっ…』  男が絶頂を訴えた途端、琉唯の手の動きが止まった。ギリギリのところで止められたからだろう。男が恍惚とした表情と共に強請るような視線を琉唯に向ける。琉唯は男を見てクスクスと笑い出した。そうして、また手の動きを再開させ、男が達しそうになると止める。数度それを繰り返していくうちに、その間隔が短くなっていく。 『…限界、なんだろ?…イかせて欲しいか?』 『…も、…頼むから…』 『なんだ?最後まで言えないのか?』 『…イかせてくれ…』  男の言葉を確認した琉唯が、後孔と屹立への刺激を再開すると、男は激しく身体を揺らし、店内に響き渡るくらいの声をあげて屹立から飛沫を噴き上げた。  幕が下り、朝霞は自らの身体の変化をどう対処すればいいのか、わからずにいた。隠した朝霞の屹立は痛いほどに張りつめ、このまま立ち上がることなんて出来る状況ではない。だからと言ってここに座っていたら、横にいる遠山にバレてしまうかもしれない。朝霞は身動きが取れなくなってしまっていた。  無言のまま、顔をあげることも出来ずに俯いてしまった朝霞に、遠山が視線を向ける。朝霞は舌を向いていて気が付いていなかったが、遠山の視線が朝霞の下半身に落ち、視線を上へと戻した遠山の口角が上がる。朝霞のジャケットがそこに置かれたわけを確信したのだろう。 「課長、今日ってまだ時間あります?」  遠山に声をかけられて、朝霞は慌てて顔をあげた。その頬は少し赤らんでいる。朝霞は、この屹立の熱を何とか治めなければと、そのことで頭がいっぱいになっていた。  ――すぐには、立ち上がれない…。 「え?ああ。まだ、それほど遅くないしな」  何とか、このまま静まるまで座っているしかない。ここで、もう一杯くらい飲んで大人しくするのが最善かもしれない。朝霞はそう考えた。 「家近いじゃないですか、どっちかの家で飲み直しません?同じ駅なら、歩いて帰れますよね?ああ、琉唯さんに挨拶した後で、なんでもう一杯くらい飲んでからですけど。お替り、頼んできますね」  遠山がもう一杯ずつ頼んでくると言って席を立った。テーブルに一人となった朝霞は、深呼吸して状況の改善に努めた。何せ、部下の横でこんなショーを見て股間を立たせているなんて、バレたら恥ずかしくて死んでしまいそうだ。遠山が席に戻ってくるまでの間、朝霞は仕事の事を考えたりして、何とか興奮した屹立を治めようと瞑想のような状態になっていた。 「貰ってきましたよ。で、どうします?家でもいいですけど」  飲み物を手に戻ってきた遠山が手に持っていた飲み物を、空いたグラスと入れ替えながら朝霞に聞いてくる。 「帰りが面倒でないなら、家に来るか?」 「いいんですか?課長の家でも」 「ああ。酒もあるし、適当に摘まみもあるからな」  しばらく、瞑想状態だったおかげか、ある程度熱が治まってきて、朝霞は心の奥でホッとした。

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