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第37話 今が告白の時だ

あ、ヤバい。これはチェイス室長が無駄に落ち込んで面倒になるパターンだ。そう察したオレは、床に崩れ落ちているチェイス室長に手を差し伸べた。 「チェイス室長、オレ、怒ってないからとりあえず一緒にご飯食べよう?」 「だが……」 「せっかく美味しいもの買ってきてくれたんでしょ。オレもお腹空いたし」 「ああ、そうか、そうだな……」 オレが腹が減っているという事を鑑みてとりあえず飯にすべきだと思ってくれたのか、立ち上がって料理を皿に盛るのを手伝ってくれる。 けど、来た時とは打って変わってその表情は冴えない。 せっかく疲れてるのをおして来てくれたのに、こんなにしょんぼりされるとオレだって悲しい。っていうかさ、オレ嫌だって言ってないのに。……むしろ、ムラムラさせられるのが困るって思ってたくらいなのに。 これは、言うしかないんじゃないか? オレは心の中で自分に問う。 そうだよな。多分、今が告白の時だ。 素早く結論づけて、オレはデカめのグラスを二つ、テーブルにドンと置いた。 「?」 「ルルシュ、買ってきてくれたんでしょ。飲も」 祭りの前にチェイス室長が飲ませてくれた、甘くてさっぱりして飲みやすいくせに、度数だけはやたら高かった……そのせいで酔ったこの人にだいぶエロい事をされた思い出の酒、ルルシュ。 酒でも入れないと、この状況から素面で告白するのはオレには難易度が高すぎる。 「あ、いや、これは気に入ってたみたいだから差し入れで……ミジェが気が向いた時に飲んで欲しいと思って」 「今気が向いてんだよ。オレ、一人で酒とか飲まねぇし」 「……」 チェイス室長が分かりやすく困ってる。酔っ払った時の自分にまだ自信がないんだろう。でも、オレはもう酒の力でもなんでも借りたいくらいの気持ちだった。 さっさと玄関に鍵をかけ、窓を閉めてカーテンも勢いよく閉める。祭りの賑やかな喧騒から、この部屋を切り離してしまいたかった。 「ミジェ……?」 「食べよ? 座って」 問答無用でチェイス室長を席につかせ、ナイフやフォークを持って戻ってくる。チェイス室長のグラスにも、自分のグラスにも、ルルシュをたっぷり注いでから、オレも席についた。 「とりあえずさ、チェイス室長、お疲れ様」 「あ? あ、ああ。……ありがとう」 二人でグラスを合わせて、グイッと酒を煽る。やっぱり甘くって、なのにどこか爽やかな後味の、いくらでも飲める酒だと思った。 「祭りの準備、めっちゃ大変だったって、寝る暇もあんまないって聞いてたからさ。終わってすぐに来てくれたの嬉しい」 「ミジェ……!」

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