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第44話 声も出ない

「ああ……ん」 もっと異物感とかあるのかと思ったけど、チェイス室長のエロい魔力を感じとれてしまうオレは、気持ち良さの方が先に来てしまうらしい。奥へ奥へと入ってくる長い指がひたすら気持ちいい。 そんなところに指を突っ込みながらもチェイス室長の魔力はオレの体のいたるところを触るか触らないかみたいなフェザータッチで刺激してきて、オレはもどかしさに身を捩った。 「ふっ……んんっ」 その拍子に腹の中で甘く痺れるような快感が走る。ビクン、と体が反応したからか、チェイス室長がそこばっかりを入念にグリグリと押してきた。 体が上下に揺れるくらい指で刺激されて、オレはもう息も絶え絶えだ。いつの間にか指が何本も入っていたのか孔の奥で多彩な動きをするのもヤバい。しかも、指よりももっと奥、奥まで魔力が侵食してくる。 もっと奥まで入りたい、そうチェイス室長に言われているみたいだった。 「あっあんっあっ、ひっひあぁっ、や……っ、もう……っ」 「気持ちいい……?」 目のフチが赤い、欲情しきった顔で、チェイス室長が問う。俺はもうまともな声も出なくて、涙目で頷く事しかできなかった。けれど、チェイス室長はそれでも満足だったみたいで、嬉しそうに微笑むと俺の唇を愛し気に啄む。 オレの後孔を丹念に愛撫していた指で、一番感じる場所を殊更ねっとりと捏ねてから、チェイス室長はゆっくりとオレの中から指を抜いた。 「ん……っ」 喪失感に、切ない声が出る。 けれどそれは一瞬で、持ち上げられた両脚をぐっと折り畳むようにされて、腰が浮き上がる。指を抜かれて寂しくなった後孔に、熱い怒張がぴったりとあてられて、オレは期待と不安で小さく震えた。 「ミジェ……愛してる」 真っ直ぐに見つめてくるチェイス室長の深緑の瞳から目が離せない。見つめ合ったまま、チェイス室長の体重がかかった後孔にグ、と質量のある熱い肉塊が侵入してきた。 「あ……あ……あ……」 入って、くる。 この感動をどう表現したらいいのか。 苦しい。けど、それ以上に幸せで。 オレに負担を与えないためなのか、ゆっくり、ゆっくりと分け入ってくる怒張が愛しくてならない。お腹の中でチェイス室長の熱が脈打っているのに、魔力がもっともっとと奥まで犯してくる。 チェイス室長も苦しいのか、眉根が寄っている。ふわりとした柔らかなウェーヴの亜麻色の髪が、汗で頰に張り付いているのが大人の男の色気を感じさせて殊更にエロい。 「チェイス室長……好き」 気持ちが溢れて、無意識にナカがきゅうきゅうと蠢く。チェイス室長の形がわかるくらいに締め上げているのが自分でも分かって、恥ずかしさに目の前の体にしがみついた。

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