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プロローグ

「それでは、こちらのチェアに腰掛けていただく形で……」  横浜市内のシティホテルの一室。  西尚紀は、インタビュアーの指示に従い、重厚感のある一人掛けのソファーに腰を下ろした。 「今日は、大変な時期に取材に応じていただきありがとうございます」  丁寧な挨拶に、尚紀はいえ、と曖昧に頷いた。  そして、インタビュアーから名刺を受け取る。そこには、尚紀が大切に思う人たちが信頼を寄せる人物の名前が書かれていた。 「大切な時期だと伺っています。  江上さんはもちろん、森生社長や颯真先生からもくれぐれも、と言われているので、体調に変化があったらすぐに止めるので仰ってくださいね」  ありがとうございますと尚紀は応じる。 「大丈夫です。安定期に入りましたし」  尚紀は固い決意でここにいる。今日はこのインタビューを受けねばならないのだ。  今、厳しい立場に立たされている大切な人たちをアシストしたいから。  目の前にいる最愛の人を見る。少し心配そうな表情を見せている。しかし、尚紀は強く頷いた。 「それではナオキさんのインタビューを始めますね」  尚紀は頷いた。 「まずどこから話しましょうか」  尚紀は少し考える。 「……そうですね。すべてが始まった十六歳の頃からお話ししましょうか」

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