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4 トーナメント戦

「でた!!!??」 葵が俺にしがみついてきた。 珍しいこともあるもんだ。 「えー俺に抱きついてきてもいいんだよ」welcomeという視線を送ってきた。 「しっしっお前あっち行け」 「ちょっ葵いちを年上なんでしょ、そういう言葉遣いよくないんじゃないの?」 「は? 関係ねぇし」 「後ろの子って誰?」 「は? お前なんか教えてやるかよ!!」 「うわぁー俺嫌われてる」 「ほ、ほらしょんぼりしちゃってるじゃん」 「べ、別にいいだろ、俺はもう行く」 「ふっ冷たいね葵ちゃんは」 「葵って呼ぶな変態!!」 ……。これ全然収集つかないや。 どうしよっかな。 「葵、とりあえず逃げるべ」 葵の手を引いて俺は走り出していた。 先輩は追ってこないみたいだ。 「ここまでくればいっしょ」 「おう、巻き込んでごめんな」 「いいよ、まぁ俺隣のクラスだけど、いろいろ気をつけろよ」 「おう」 てゆうか俺の葵を手にかけたらまじで許さないからな!!! 放課後 トーナメント戦が行われた。 といっても俺たちはAグループになったので試合は免除されていた。 「さぁて葵技盗むか」 「ああ、いいぜ」 俺たちは他の人が使ってる技を盗むことができる。 それは反射神経を鍛えたから会得したある意味すご技なのだがそれがあるおかげでいくつもの試合をくぐり抜けてきた。 1年免除組と2年、3年の試合を見ていると副部長に声をかけられた。 「君たち暇かい?」 「え? 全然忙しいです」 「へぇー試合観察するの好きなタイプなんだ」 「はい、意表をつくことができる最低現の努力になるので楽しいっすよね」 「そっか、真面目タイプなんだね」 「でも暇すぎてもあれじゃない、試合したくない?」 「あー大丈夫っす」 「あれま、お誘い失敗か、そっちの結城もいいの?」 「えーまぁはいここで怠ったらなんか葵に負ける気がするので」 「すごい、二人とも負けず嫌いなんだね」 「というよりも先輩って俺たちのこと名前で呼ぶんですね」 「え、だって今更じゃない中学からそう呼ばれてたんでしょ?」 「あーまぁはい、そうっすね、鬼の葵と鬼の結城ですもんね」 「そうそう」 部長が構えていた。 「あ、部長の試合は見たいので」 と断りを入れると 「本当に真面目だね」 と暢気に言っていた。 ごくりと唾を飲み込むと葵に似たような気を感じた。 熱気が俺を襲った。 部長もかなりな使い手のようだ。 「はぁ!!!」 というと竹刀がぶつかり合いそれだけでも相手をひるませた。 すごい……。かっこいい。 「面!!!」 と1本とった。 そしてトーナメント戦は終わり部長が言っていたようにAグループは35人ではなく15人でBグループがほぼ全員、そしてC Dと分割されていた。 「はぁーくそ頑張ったのに……」 「お疲れ様です~~」 俺たちは先生たちからお金をたかって飲み物を買いに行ってた。 「うわぁーサンキューすぎる葵俺の嫁にくる?」 「は? キモ」 「アハハ結城、葵が冷たい」 「そうっすね」 2年の先輩が葵を気に入ったようでちょいちょい声をかけていた。 「ああ、そういえば俺ゲイだから、葵みたいな可愛い系好みだわ」 「え!?」 「ゲイってことバラすの早すぎね?」 「えーでもさいいじゃん竹刀振るってる部長とか普通におかず」 「いやいや部長は抱けなくない?」 「いや、反対俺が叩かれるほうだから抱かれるほう、お尻ぺんぺんとか無表情でされたいわ」 「アハハハ」 と談笑していた。 てか普通にオープンにできるのすごい。 俺にはそんな勇気ないわ。 それに……。ちらっと下半身を見た。 これさ普通に抱くってなったら事後が怖いよね。 でも葵のよがる姿とか想像してみ? 絶対に可愛いじゃん。 ちょっと悪態つきながらさなんか言ってそう。 ……。勃つ。 バカ。 「んじゃぁ解散」 「お疲れ様っした」 ロッカー室は他部と同じで1時間前に終わった弓道部とぶつかった。 「あー剣道部終わったんすね、お前ら早く退散しろっ」 と部長っぽい人が言っていた。 「うわぁ!! やっぱ葵ちゃんじゃん、胴着姿もかわぁいいね」 「うぎっ!?」 パシャと音がしたのですかさず俺の後ろに隠れた。 「あーまた君かよその子なに、君の子なわけ?」 「いや……違うけど」 「ちょっ結城それは誤魔化せよ」 「ぶはっ最高♡」 「おい、裕司ここは神聖な場所だやめろ」 「ちっ承知しました、お兄様」 全員が貴船部長と留年していた男貴船裕司を見た。 や……やっぱり兄弟かよ!!!!! でもそのことに関しては全員目がキョロキョロと動き黙秘しろというのが伝わった。 だけど葵だけは口を開いた。 「ぶ……部長……お…弟さんなら今後一切俺に近づかないようにしてください」 「? どうしたなにかあったのか??」 「えーそれはダメだよ、先生からも言われてるじゃん、俺の教育係って♡」 「ちょっ!! それ違う意味に聞こえそうで嫌だからやめろ!!」 「へー違う意味ってなーに?」 「あーもうああ言えばこう言う!!」 葵がこんなにも誰かに対して激しい態度を取るのは初めてかもしれないと思った瞬間であった。

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