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第27話 何度でも好きだと ※
「壱成、無理すんな」
「うるさい。できるから、ちょっと待ってろ」
「…………はぁ。もう視覚がやばい……」
今日は俺がすると壱成が言い張り、俺の上にまたがっている。
人生初の騎乗位だという。
男前な態度で騎乗位に苦戦している壱成。マジでやば可愛い……。視覚がやばい……。
必死な顔も可愛いし、壱成のものが目の前でプラプラゆれているのがたまらない。
ついちょっかいをかけたくなる。
「はっぁっ、おい……やめっ、いまさわるなっ」
「だってプラプラ可愛いから」
「あっぁ……待て、もう少し……だからっ、……んっ……」
「え、まだまだだろ」
「嘘……つけ。も……少しだろ……」
「壱成、さっきから先っちょばっかりだって」
「先っちょ……そんなことないだろ、ちゃんと入って……るっ、んぁ……」
先っちょばかりで焦らされてるのかと思えば入っていると言う。もうほんと、なんなのこの可愛さっ。
でも本当にもどかしくて、思わず下から少しだけ突き上げた。
「あぁ……っっ、やめ……っ、俺が、やるって言ってる……だろ……っ」
「頑固だなぁ……可愛いけど」
「今日は……俺がノブを気持ちよくさせたいんだ。ん……っ、はっぁ……」
「えっ……」
まさかそんな理由とは思わなくて、だから必死になって苦戦していたのかと思うと、可愛くて愛おしくて俺の中で好きが爆発した。
俺は身体を起こして壱成を抱きしめた。
「だっ……う、動くなって……俺が……っ」
「ん、動かないよ、動かない」
ぎゅっと抱きしめ、背中を撫でる。
そして、繋がってる部分を手で確認した。
「壱成、そのままゆっくり腰下ろしな。ちゃんと入ってるから、大丈夫。手は俺の肩な」
「んん……っ、あ……っ……」
「うん、上手。あともう少し」
「も……ぜんぶ、入った……だろ?」
「まだだよ。おしりが下に付くまで」
「も、もう……入らない……っ……」
「大丈夫。いつももっと奥まで入ってるよ」
「う、嘘だろ……っ、……っはっあ゙ぁーー…………っっ!」
奥まで入ると壱成はかすれた喘ぎ声を上げて、俺の肩にもたれかかった。
「ほら、ちゃんと壱成のいいところまで入った。大丈夫?」
「……ん……っ、だい……じょうぶだ。ち……ちょっと加減がわからなかった……だけだ」
「ん、そうだな」
「……おい、本当だからな……っ」
しゃべればしゃべるほど可愛い壱成の口を唇でふさぐ。
「ん……っ、ふっ……っぁ」
壱成はいままでゲス野郎しか知らなかったせいで、経験値があまりにも偏りすぎている。
すごいことはできるのに、逆に普通のことが初めてだったりして、ときどき胸が痛い。
でも、俺だけが知っている壱成がどんどん増えていくのが嬉しい。初めての騎乗位に苦戦する壱成、本当に可愛い。
「動ける?」
「は……動けるに決まってるだろ。いまから俺がお前をイかせてやる」
入ってしまったら、急にまた男前になった。
ノブのときに“お前”と呼ばれたのは初めてで、びっくりして目を見開く。
ちょっと他人行儀だった壱成が、どんどん素になってきている。じわじわと喜びが込み上げた。
「それ、すげぇ楽しみ」
「できないと思ってるだろ。ノブは絶対動くなよ……っ」
「はいはい。壱成、手はそのまま肩な」
「ん……。……は……っぁ、……あ……っ……」
やっぱりぎこちない壱成の腰の動きが逆にクる。
仕事中の壱成からは想像もできない可愛らしさに、俺は毎回心臓がやられる。
こんなに可愛い壱成を、もう誰にも見せたくない。見られたくない。ずっと俺だけが知っていたい。
「……んっ……っ、あ……っ、ノ……ノブ、きもちい……か……?」
「ん……すげぇ、気持ちい……壱成」
俺の言葉に、幸せそうにふわっと笑う。
「は……ぁ……っ、……好きだ……好きだよ、ノブ……」
「壱成……っ、俺のほうがもっと好きだよ……っ」
「あぁ……っ、……っぁ……」
好きだから、俺も言ってもいいか? と言われたあの日から、壱成は必ず俺に好きだと伝えてくれる。
もうありえないくらいに幸せなのに、どうしても俺は恋人にこだわってしまうんだ。セフレのままじゃ嫌なんだ。
どうして壱成は、セフレのままでいたいんだろうか。
そこにどんな理由があるのか、まったく想像もつかない。
もし俺のことを見抜いているなら、“京”にあんな告白はしないだろう。
あのとき壱成は、はっきりと『片想い』だと言った。俺がこんなに気持ちを伝えても、まだ信じてもらえていないんだろうか。
「壱成……好きだよ。大好きだ」
それなら俺は、何度でも伝えるよ。壱成が好きだと。
「あ……っ、は……っ、好き、好きだ……っ、あ……あ゙ぁ゙ーー…………っっ!」
「…………く……っぁ……」
本当に大好きだよ、壱成……。
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