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〝水と相性がいい〟というのは、実はなんとなく授業で感じていた。 ティアが使う様々な精霊の力。その中で水を見た時、何故だかすごく心地が良かった。 ティアは火を使う時にそれを感じるらしく「火と相性がいいんだ。もしトアにも相性があるなら、そういうのを感じる時が来るかもね」と教えられた。 相性を感じられる精霊士は少ない。その分より強い精霊と契約できるし、重宝されている。 まだ勉強を始めたばかりで感覚という明確じゃないものを伝えるのもな…と思っていたが、やはり自分は水に相性を感じていたらしい。 けど、まさかこんなふうに悪戯されるとは思ってもなかった。 『折角美味しそうな水の子が来たのに、これじゃ近づけないよ』 『ねぇどうして怖いの? 教えて?』 『僕らが解決してあげようか?』 「っ、」 精霊は純粋だ。どんどん質問が飛んでくる。 ど、しよ……っ。 「なんで?」なんて、そんなの前の世界で自殺した場所が海だったから以外考えつかない。 あの暗く冷たい水底は今も覚えている。風呂とかは問題ないけど、きっと湖や海等の大きな水の前では、さっきみたいに萎縮してしまうんだろう。 ーーそれを、どう伝えればいい……? 『あーぁ、静かになっちゃった』 『どうする? 帰る?』 『帰った方が良さそう。話ができないんじゃ仕方ないよ』 「ぁ……っ」 次々と光の粒が水晶へ戻って行く。 心が乱されすぎてもう魔力の修正は効かなくて、引き止めるにも言葉も何も出てこなくて。 あぁ、俺やっぱり駄目なのかな…… 折角いろんな人に支えられて、ここまで来たのに。 ここで失敗したら失望されるかな。嫌われるかな。 前の世界でも違和感だらけだった。それで失敗して自殺した。 こっちの世界ではそうならないよう必死に齧り付いた。 なのに、ここでも受け入れられないなら自分は何処へ行けばいいの? ねぇ、自分は何者? 俺は、 俺の居場所は、一体…… 『ーーへぇ、面白いな。お前』

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