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「はっ、あ、あ、あ、あぁっ」
喘ぐ声が止まらない。
口の端から唾液が溢れて、それすらも拭えないほど身体がいうことを聞かない。
いつもとは違う共鳴。
上から下まで満遍なく全身を触られ、頭がおかしくなりそうになる。
どれくらい時間が経った? 体育はもう終わった?
ここが学校ということも忘れてしまうくらい乱れていて、どうしようもない。
「ぁあぁぁっ!」
何度も吐精しているソコから、また少量の白濁が溢れた。
しつこく触られる自身は震えていて、乳首も赤く腫れている。
もう、無理だ……
そろそろ止めないと体力がもたない。
たくさん出してしまったものの処理もしないといけないし、息を整えないとティアや兄様たちに心配されるしーー
「ひあぁ!?」
突然の感覚に驚いて、バッと下を見た。
「指を入れたら駄目なのか? 物欲しそうに動いていたが」
「な、そこ違っ、ぁ、んんぅ……っ」
後孔に、エルバの指が少しだけ突っ込まれていた。
未知のことにゾワリの震えて、でも触れられてるところからの共鳴で温かくなってきて。
「お前の出したモノを絡めて入れたが、正解だったようだな。食い付いて離れようとせん。
あぁ、これは実に愛いなぁ」
「ーーっ、」
〝愛い〟
また言われたその言葉。
分かってる、俺とエルバの気持ちは違う。
俺は愛しいという意味で好きなんだろうけど、エルバは可愛いという意味で好きなんだ。
Loveとlikeの違い? Loveとfavoriteか? どっちでもいいけど、多分きっとそう。
正しいのはエルバだ。人間と精霊じゃ種族が違うし結ばれることもない。
俺は将来まだ知らない人と結婚して、エルバとずっと相棒として生きていくんだろう。
でも……そんな未来想像できないんだ。
ーーだって、お前以外にここまで想える人と…出会える気がしないから。
「ぁ…あ……っ」
「…なぁトアスリティカ、分かっているか?
今我はまったく指を動かしていない。だが、お前の内部が蠢いて指をナカへナカヘと誘(いざな)っている。
もっと欲しいのか? 我が」
(欲し、い……)
欲しい。
男なのに、もっと指を増やしてソコをぐちゃぐちゃに掻き混ぜて欲しい。
それからエルバのモノを埋めて、思いっきり突かれて感じたい。
そして俺の最奥に吐精してもらって、熱い身体で抱き合ってーー
「…ゃ、だ……」
「? なんだ?」
「も、ゃめて……っ」
身体は欲してる。喜んでいる。
でも……心は引き裂かれそうに痛い。
「おねがっ、お願い、ソコはもう駄目…抜いてっ」
嫌だ。
想いが通じ合ってない相手と抱き合うなんて、したくない。
俺のことを受け入れてもらってからじゃないと、こんなの……
「ふ…うぇ……っ」
嫌だと思ってるのに、拒むように動いてくれない身体。
共鳴相手をもっと欲しいと蠢く己が怖くて、泣いてしまう。
どうか止めてくれ。
もしここで最後まで抱かれて身体が喜んだとしても、虚しくなってしまうだけだから。
共鳴に心は必要ないかもしれない。ただ互いの身体が必要なだけかもしれない。
でも、それでも 俺はーー
「すまぬ、トアスリティカ」
「んぁっ……は…ぁ……」
奥まで入り込んでいた指が抜かれ、布団をかけられた。
「我も夢中になり過ぎた。もう何もせぬから安心しろ」
布団の上からの抱擁。
分厚い分共鳴することはなく、ほっと息を吐いてされるがままになる。
何度も吐精した身体は、もう重すぎて動かない。
いけないと分かっているのに、目蓋も段々閉じてくる。
「少し眠れ、疲れただろう」
「で…も……」
「我が見ているから心配はするな」
優しい言葉。
ポンポン布団を叩かれ、心地よさにもトロリとしてきて。
そのままスゥッと眠りについた俺を、エルバがどんな顔をして見ていたかは知らない。
ーーそして、この俺たちの声を誰かに聞かれていたことも……全て。
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