腰の奥がぞわぞわしてこそばゆい。じっくりと撫でまわされるのは、また違った感覚だ。身体の内側に触れられるのは脅威でしかないはずなのに、パルケラィアにされるのは、嫌ではない。傷つけないよう、丁寧に触れられているのが分かるからだ。触手がナカでうねるのをなぞるように、腹の上で手を動かしてみる。ごく緩やかな動きでありながら、クる。上下に擦られるたびに、高められる感覚に陶酔していく。 「あっ、あっ、気持ちいい、ッ、パルケラィア……」 　とろんと舌足らずな甘え声を上げてしまったことに気付けないほど、快感に夢中になっていた。あまりに倒錯的な光景に、パルケラィアが目を見開く。だが、それも一瞬のことだった。 「あ、凄……ッ!　うあッ⁉　くぅン！」 　スナップを効かせて弱いところを擦ると、子犬のような悲鳴が上がる。逃げられないよう腰に触手を回し、深く突き挿れる。緩いピストン運動のたび、肺から空気が押し出されるようで、苦しい。快感に意識を持っていかれそうで、パルケラィアが形成した上半身にしがみつく。肌を重ねたスライムは寸の間動きを止めたが、そのまま感じるポイントを的確に責め続ける。 「あっ⁉　あうぅッ、は……！」 　背に爪を立てても、パルケラィアの肌は痛むこともなく指先が少し埋もれた程度だった。しかしダメージにもならないそれも、スライムロードを煽る結果になる。 「っあッ、ッふ、んうぅああ！」 　絶頂の予感に目を強くつぶる。瞼の裏で星が散った。強度のあるスライムを、ナカできゅうきゅうと締めつける。 「あ……はぁ……」 　果てたサラマンダーは、少しのあいだ身体を満たす絶頂に浸っていた。女の身体がこんなに気持ちがいいとは知らなかった。明滅感に揺られ、ぐったりと身をゆだねているさなか、パルケラィアの半身に手足を絡めているのに気づいた。 「……悪い」 　抱きついているのが恥ずかしく思え、腕をほどこうとすると触手が巻きついてきた。 「パルケラィア？」 「……分からない」 　汗で額に貼りついた赤い髪を、そっと外してやりながらパルケラィアがつぶやいた。触手はまだ抜かれないまま、ヒクつくナカの感触を確かめるようにゆっくりとうねる。 「ッあ」 「長く生きているが、初めての感覚だ。食欲と似てはいるが……違う、違うな、愛らしい……」 　口にしつつ、自分自身も考えを整理しているようだった。人間のように手の甲にキスを落とす。何を言っているのか、イッた後の頭では処理できないが、嫌な予感がする。逃げたいのに身体は触手の虜で、パルケラィアに甘えるように襞が絡みついてしまう。 「もっと啼かせてやりたい。もっとヨくして……」 　ナカを愛でるように触手がひっかいていく。甘い快感に思わずのけ反ったサラマンダーの口端を唾液がつたう。 恋人同士がするように額と額を合わせる。見つめる瞳は怜悧で、そして美しかった。 「すまないサラマンダー、気が狂うまでには止めるから」