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森 9
「──調教の内容だが、」
身構えるサラマンダーの淫芽に触手が下ろされる。強い快楽の予感にぐっと唇を噛むが、予想に反して、伝わる感触はなめらかで優しい。撫でまわされるたびに思わず下半身をよじってしまうほどきもちよくて、頭がどこか麻痺したようにふわふわする。
「っふぁ……あぅ……?」
「外の刺激というのは、段違いの快楽を呼び起こす。優しく、優しく触ってやりながら、同時にナカにも刺激を与えることで、快感を紐づけるわけだ」
陶酔するように快楽に浸るサラマンダーに、教え込むように触手を動かして見せる。くる、くる、とクリトリスの周りを舐めるように繊細に触れられると、総身から力が抜け、多幸感に包まれる。
「あっ、あぁぁ……はぁあァ……」
パルケラィアに見られていることも忘れ、腰をくねらせて善がる。随喜の涙をこぼし、はしたなく乱れるサラマンダーを堪能する。
「だ、ダメだパルケラィアぁ、はぁ、それ、だめ……」
きもちよくて舌が回らなくなる。快感の虜になる姿は愛らしいが、自分に完全に身体を許した様を見ると、いままで覚えたことのない黒い感情が沸き上がる。
「ダメか? じゃあ、こうしようか」
触手を変形させると、ぱんぱんに充血したそれをぱくりと咥える。
「ッ⁉ あ! やめ……ッ⁉」
いきなり強い性感を与えられ、身体に力が入るサラマンダーが逃げないようスライムでガッチリと固定する。そして大事なところをぎゅぽぎゅぽと吸い上げた。
「ぅああ! す、吸うなッ、ひっ⁉」
「なるほど、これが『好きな相手には意地悪がしたい』というやつなのだな」
ほとんど痙攣するように感じているサラマンダーの肩を抱きながら、パルケラィアは満足げな笑みを浮かべる。ブラシ状に並んだ触手でぞりぞりと秘部を撫でまわすときでさえ楽しそうだった。
「ひぁっ、ああん! う゛、あ゛あ゛⁉」
強い快感に思わず腰を浮かし、調子はずれな喘ぎ声が出てしまう。ガクガクと震える足を閉じようとするが、それすら許されず容赦なく責め立てられる。
「気持ちいいか? サラマンダー」
「っ、だ、れが、ッ⁉ ひぃッ⁉」
涙目で睨みつけたサラマンダーだが、パルケラィアが動きを速めたので悲鳴のような声を上げる。
「き・も・ち・い・い・よ・な?」
一言一句を擦り込むようにこすられ、強すぎる快感と羞恥で心が折れた。
「き、気持ちッ、気持ち、イ゛イ……う゛あッ⁉」
「良くできたな、えらいぞ」
頑張らせたなら次は飴だ。調教は心得ている。また甘やかな責めに晒され、サラマンダーが身悶える。それと同時にナカの触手をくねらせると、子犬のような啼き声を洩らす。
「あっ、あぅぅ、いい、きもちぃ……」
うわごとのように「気持ちいい」と喘ぎながら腰を揺らす。種族が異なるにもかかわらず、ぐずぐずに泣きながら快感に浸る姿がたまらなく淫靡で、官能的に映る。運命だ、と思った。薄らと周りから隔絶された境遇で、わずかに同種とズレた価値感を抱えて、半歩逸脱した自分が数百年巡り合えなかった運命が、いま、ここにある。額に口づけるとサラマンダーは怪訝そうに瞼を持ち上げたが、触手が動くとまた嬌声交じりにうめいた。
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