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ep.2 女王様の名は①

    「おはよう、セツ。」 小鳥の囀り、窓から射し込む柔らかな陽光に誘われて。 「あっ…おはよ、ルーファス。」 目覚めると、朝イチから眩し過ぎるほどの悩殺スマイルが、オレの頭を一気に覚醒させる。 や、不意討ちのイケメンは刺激強すぎるから… 「よく眠れたみたいだな。」 「ん、おかげさまで…」 そうかと笑うルーファスをベッドから見上げ、なんだかほっとするオレ。 昨日は不安もあったけど…こうしてちゃんと朝が来て、ルーファスが目の前にいることが嬉しいだなんてさ。 まだ夢じゃないっていう保証は、ないのかもしれないけどね…。 そのまま、ぼんやりと寝惚け眼で彼を見ていたら… 「セツ…あまりそのっ、無防備な姿で見つめないでくれ…」 心臓に悪いからと、困ったよう目を逸らされてしまった。 ええ…?それはオレの台詞だし────… …ってまあ、朝から寝起きの野郎にじっと見つめられても嬉しくはないよな…。 「着替えは用意しておいたから。仕度が出来たら、朝食にしよう。」 言われてグ~っとなるお腹に、思わず顔を見合わせて。苦笑するルーファスに、真っ赤っかになるオレ。 恥ずかしさを誤魔化すため、勢い良く寝間着を脱ぎ捨てたら… 「わっ…私は廊下で、待っているから…」 ルーファスはそう告げるや否や、いそいそと部屋を出て行ってしまった。 なんだろ?別に男同士なんだから、気にしなくていいのに。あ…もしかして、こっちの世界じゃ男でもそういう気遣いとかするんだろか? そういえば初めてルーファスに会った時だって、お姫様みたいな扱いされてたしな…。 まあ、いっか…とりあえず腹ごしらえが先だ。…と急いで着替えを終え、外で待つルーファスの元へ行くと。 エスコート…とまではいかないが、彼に連れられるようにして。オレは階下へと向かった。

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