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②
「ふぇ~…頭もげそう…」
「セツ、少し休んではどうだ?」
昼食が終わって早々に、また本とにらめっこすること2時間ちょっと。さすがに疲労が蓄積し、目がショボショボとしてきて。
限界とばかりに、だらりと机に突っ伏してると…。
見計らったかのよう、ルーファス達がお茶とお菓子を持って来てくれた。
「お疲れセツ~。天気も良いし、こっちで一緒にお茶にしようよ!」
年少組が率先してテラスにあるテーブルへと、ティーセットを運び。オレの手を早く早くと引いて急かす。
席に着くと、アシュレイが慣れた手つきで紅茶を煎れてくれて。カップからほっこりと香る湯気に、なんだか癒された気がした。
「お菓子も焼きたてで、すげぇ美味いんだぞ~?」
自慢するみたくジーナに薦められ、器に盛られたデザートを見やる。
そこには一口大のカラフルなケーキにスコーン、あと赤いベリーのムースみたいな物が乗っかってて。こんもりと添えられたホイップクリームが、なんとも美味しそうだ。
丸テーブルにオレを挟んでルーファスとアシュレイ。対面にロロとジーナでおやつを囲む。
ちなみにヴィンセントは所用とやらで、昼から宮殿へと出掛けていた。
「セツ、勉強の方は順調か?」
稽古中での出来事を報告する年少組の盛り上がりが、一段落したところで。ルーファスがオレにそれとなく声を掛ける。
こういうさりげなく気遣えちゃうところが、男前たる所以なのかなぁと…しみじみ思う。
「ん~まあ、ぼちぼち…かなぁ。」
読めることは読める────…んだが。
だからってそれを理解出来るかっていうのは、また別の話なわけで。
歴史とか一般教養なら覚えるだけだから、まだマシなんだけど…。
「魔法なんて、未知の領域だからね…。」
コレがもう、ちんぷんかんぷん。
全く理解出来る気が…しないのだ。
「魔法に関しては、知識だけで扱える代物でもないからねぇ。」
言ってアシュレイは紅茶を一口。
そうなんだよねぇ…どちらかというと、天性の才能が物を言うって感じだし。
じゃあ実際にやってみよう!…ってなノリで使えるものでもないから、厄介だ。
「けどさ、今までの神子様もセツと同じ普通の人間だったんでしょ?」
ロロが口元にフォークを当てながら首を傾げる。
こうして見ると、ホント男にしとくのが勿体ないぐらい可愛らしい。
「なら大丈夫なんじゃねぇの?俺だってほとんど勉強してねぇけど、いつの間にか使えてたしな!」
まあ、ジーナはなんでも本能で片付けるようなタイプだろうからね。才能もあるんだろうし、魔法に関しても難しく考えないで勢いでちゃちゃっと扱ってそうな感じがするからなぁ…。
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