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「何かあったのか?」 そこへルーファス達がいつものように、お茶と菓子を持って勉強部屋へとやって来て。 にらめっこするオレとヴィンセントを前に、どうしたんだと疑問符を浮かべる。 「…────それは…万が一ということもあるし、ヴィンの考えを否定することは出来ないな。」 ルーファスなら、きっとオレに味方してくれるんじゃないかって期待してたのに。 成り行きを説明すると…意外にもヴィンセントに同意を示した、守護騎士の皆さん。 なんなら喜んで一緒に出掛けてくれそうなジーナやロロまでもが、困ったように眉根を下げちゃうもんだから。 え…そんな治安悪いのか、この国? お城は緩やかだけどちょっとした高台にあるから、城下町が一通り見渡せるんだけど。 すっごく華やかな街だし、絶えず人々が行き交ってるのが判ったから。遠目でも随分と活気があるように思えた。 何よりルーファス達や女王アリシア様、大司教トリント様なんかの人となりを見てるとさ。良い国だってイメージしか、沸かないんだけどなぁ…。 「とりあえず、お茶でもしながら話をしようか?」 気を利かせてくれたアシュレイが、立ったまんまのオレらをテラスへと誘い。ティータイムを交え、先程の件について話を進めた。 「神子というのは、この国にとっての救世主なのだけれど…」 同時に、欲への対象にもなるのだ…と。 アシュレイはいつになく真剣に語り始める。 「この世界には無い、特異な存在…未知なる者だからこそ。常識では計り知れない奇跡を起こす…とされてるからね。」 何者をも癒す魔法と、強大な魔族の力すら抑え込んでしまう結界術。それは神子の血のみが成せる、まさに神業とも言え…。 それ故に…無い物ねだりをする輩は。何処からでも涌いてくるのだ、と。 「けどさ…!そのためにルーファス達、守護騎士がオレを守ってくれるんだよね?」 「それは、そうなのだが…」 どう説明してよいのやら…煮え切らぬルーファスの態度に、オレの不満は募るばかり。 すると言い淀む彼に代わり、アシュレイが口を開いた。 「まあ落ち着いて、セツ。その質問をルーファスにするのは、酷というものだよ?」 意味が解らず、不信感を表すオレに。 アシュレイはさも楽しげに勿体振ってみせる。 ジーナもルーファス同様、目を泳がせ頭をポリポリしてるし。ロロは、なんだか恥ずかしそうに頬を染めていた。 ヴィンセントに関しては澄ました顔で、成り行きを見守る姿勢を表してるし…。 一体、何が言いたいんだろ…?

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