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「私はっ…無理矢理に、気持ちや行為を押し付けたりなどしない!そういった事は、お互い合意のもとで行うべきだと思うし…」 興味本意や私利私欲のためだけに、性的な行為を強要するのは愚かなことだと。からかわれてるにも関わらず、真剣に答えてしまうルーファス。 やっぱり、コイツは根が純粋で真面目なんだなぁ…。 「そう?僕は興味あるけどなぁ。」 欲することは人としてごく自然なこと。 好意も性欲も、生存本能から来る産物なのだし。 それを否定するのは、生きることを否定するも同じじゃないか…と。アシュレイもアシュレイで、最もな持論を展開する。 「まあ…さすがに僕も男に興味を持ったことは、今まで無かったけど…」 そう言ってアシュレイは、含み笑いを浮かべる。と… 「そうだねぇ、セツとなら───…かもしれないねぇ。」 告げてパチリと、魅惑的なウインクを飛ばされて。 謎のご指名を受けたオレは、アシュレイの問題発言に衝撃を受けてしまい。デジャブかな…呆然と、開いた口が塞がらなくなる。 「アシュレイ殿…!!」 衝撃のカミングアウトを前に皆が絶句する中。 ひとり勢い良く立ち上がり、声を荒げるルーファス。 あまりの剣幕に、オレはびくんと肩を揺らし…ハッと我に返った。 「以前から気にはなっていたが…貴殿は守護騎士でありながら神子であるセツに対し、軽率な言動が過ぎるのではないか!」 「酷いなぁ。僕は本心を口にしたまでだよ?」 くすりと笑うアシュレイは、わざとらしくオレの肩を抱き寄せると。あろうことか──── 「わわっ…!」 「アシュレイ殿…!!」 チュッと生々しい音を立て、オレのこめかみに口付けてきたもんだから。 焚き付けられてしまうルーファスは、まんまと憤慨し。オレの腕を強引に掴んだかと思うと…アシュレイの元から勢い良く身体を引き剥がした。 反動で、ドスンとルーファスの胸に収まるオレ。 「これ以上、セツをからかうのは止めろ…」 いつもの礼儀正しいルーファスとは一変し、荒々しい口調で警告する様に。アシュレイも少々やり過ぎたかなぁ~と、間延びした声で両手(もろて)を上げる。 「そんなに気になるなら、君も素直になればいいんじゃない?」 やっぱり仲が悪いのか、それともオレ…『神子』が絡んでる所為なのか。どんどん険悪になっていくふたりに、板挟み状態なオレ。 どうしたら、この場を丸く治められるのかが判らず。訴えるようルーファスの服を握り締めたら… 「あっ…ちょ、ル───」 いきなりその手を強く掴まれてしまい。 オレは何か反応する間も与えられぬまま、ルーファスに半ば引き摺られるようにして。庭園へと連れ出されるのだった。

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