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③
(ど、どうしようっ~…!?)
恥ずかし過ぎてヤバい…
この後どんな顔して出てけばいいんだよ~?
と、とりあえず服を着なきゃ───そう思いつつも、情けないかな…オレはタオル一枚でオロオロするばかりで。
何も出来ないまま、その場で立ち往生していると…
『セ、ツ……?』
扉越しに、おずおずと名を呼ばれたことに。
ドキリとして、心臓が飛び跳ねる。
『その……具合でも、悪いのか?』
「ふぇっ!?…あ、いや…」
きっとオレが、なかなか風呂から出てこなかったもんだから。心配して、見に来てくれたんだろうけれど…。
タイミングがタイミングなだけに、どう対処していいのか判らなくなり。
とりあえず返事だけは、したものの…
『そうか……なら、いいんだ…』
安心したのか、扉の向こうからそう返されて。
オレは慌てて服を引っ掴み、モソモソと着替え出す。
気まずいけど、心配してくれてるルーファスを、これ以上待たせるわけにもいかないから…。
オレは意を決して、脱衣場の扉を開けた。
「ごめんっ、遅くなって…」
「いや…気にする必要はない。」
ルーファスも心境は同じようで。
目が合うなり、お互い赤面しては逸らしてしまう。
そのまま暫し、妙な沈黙が流れて…
もじもじしながら目を合わせては逸らすをの、ふたりで何度か繰り返してた。
「やはり、どこか具合が悪いのではないか…?」
気まずさにルーファスから話を振られ、びくんと反応するオレは。そんなことないって、首を振るのが精一杯。
「そうか…鏡で身体を、見ていたから。どこか具合が悪い所でもあったのかと思ったのだが…」
(やっぱり見られてんじゃーん…!!)
思わず発狂したくなりそうなのを、必死に堪え俯く。
いやいや、端から見れば相当奇妙な行動だよね…
男が真剣な顔して、ボディチェックとかさ。
しかもそれを、ルーファスに見られちゃうだなんて…オレ、恥ずかしさで今にも死んじゃいそうだよ…
「あっ、あれはっ…アシュレイが変なコト言うからっ…」
都合のよい言い訳も見当たらず。
苦し紛れに口から出てしまったのは今一番、出してはいけなかった名前で…
判りやすく反応を示したルーファスは、露骨に表情を曇らせる。
「妙なこと、とは…」
「ふぇっ?だからそのっ…オレを抱ける、とか…」
自ら墓穴を堀り進み、地雷を踏んずけるオレは。
幾ら悔やんだところで、既に後の祭りなんだと思い知らされる。
だからルーファスに、この話題はダメだって…さっき学習したばっかなのに。
オレってば、なにやってんだろ…。
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