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「や、どう見てもさっ…オレなんかを抱くなんて、無理あるだろって───」 「そんなことは無い…!!」 え?…と目を丸くし、見上げれば。 ルーファスの悩ましげな瞳にぶち当たり、フリーズする思考。 本人は全く気付いてないんだろうけど… こんな風にオレを見るときのコイツは、色気とかキラキラ感がハンパなくて…ちょっと、ヤバい。 「セツはすぐに自己を否定したがるが…私からすれば充分に、魅力的なんだ。」 ロロやジーナ、ヴィンセントにアシュレイまで。 皆一様にそうだと言い切るルーファス。 彼の目には、一点の迷いなんて欠片も無く。 圧倒されてしまうオレは…あんぐり口を開けたまんま、茫然とするしかなかった。 「容姿に関してもロロが言う通り、愛らしいと思うし…。何よりお前は神子の名に相応しく、内面も純粋で可憐だと…私は思っているから。」 「な、か…かっ……」 お、男のオレに向かって、可憐だとか表現するヤツなんて、まずいないし…。いてもきっとお前ぐらいしかいないだろって、心中全力でツッコミながらも。 コイツの大胆な言動に、いちいち反応してしまい…狼狽える。 返す言葉も見つからず、赤面して黙っていると。 火の点いたルーファスは、ここぞとばかりにオレをベタ誉めしだすもんだから… さすがに耐えきれなくなったオレは耳を押さえながら、ワーワー!と騒ぎ立てそれを遮った。 「そっ、そういうのやめろってば…」 何故?と首を傾げる様も、カッコ良いいだなんて。 コイツの意図せぬ誘惑に引っ掛かってたら、オレの心臓マジで保たないよ…。 「オレに自覚がないって言うけどさ!お、お前だって同じじゃんかっ…」 今だってコイツは、しれっとオレの手を握り締めてるし?口を開けば可愛いだの何だのと、ナンパな台詞ばっかペラペラと並べやがって… オレが男じゃなかったら…や、男のオレでさえグッとキちゃうんだけど。 万が一女の子が相手だったら、みんな漏れなく勘違いして…あっさりと、恋に堕ちちゃうんだからな~! なまじ顔が良すぎるんだし… オレよか絶っ対ルーファスのが、タチ悪いよね? 「そうやってオレのことを、買ってくれてるのは嬉しいけど…さ。」 そんな目で見つめられ、おだてられるとさ… 「なんかお前に告白されてるみたいで、落ち着かないんだよっ…」 「ッ…!!」 一気に捲し立てると、ようやく事態を把握したのか… ルーファスの表情が一変して。 瞬く間に上気し、耳まで真っ赤に染まっていく。 すると、さっきまでの強気な態度は何処へやら。 戸惑いを見せるルーファスは、途端に言葉を濁し始めた。

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