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④
「や、どう見てもさっ…オレなんかを抱くなんて、無理あるだろって───」
「そんなことは無い…!!」
え?…と目を丸くし、見上げれば。
ルーファスの悩ましげな瞳にぶち当たり、フリーズする思考。
本人は全く気付いてないんだろうけど…
こんな風にオレを見るときのコイツは、色気とかキラキラ感がハンパなくて…ちょっと、ヤバい。
「セツはすぐに自己を否定したがるが…私からすれば充分に、魅力的なんだ。」
ロロやジーナ、ヴィンセントにアシュレイまで。
皆一様にそうだと言い切るルーファス。
彼の目には、一点の迷いなんて欠片も無く。
圧倒されてしまうオレは…あんぐり口を開けたまんま、茫然とするしかなかった。
「容姿に関してもロロが言う通り、愛らしいと思うし…。何よりお前は神子の名に相応しく、内面も純粋で可憐だと…私は思っているから。」
「な、か…かっ……」
お、男のオレに向かって、可憐だとか表現するヤツなんて、まずいないし…。いてもきっとお前ぐらいしかいないだろって、心中全力でツッコミながらも。
コイツの大胆な言動に、いちいち反応してしまい…狼狽える。
返す言葉も見つからず、赤面して黙っていると。
火の点いたルーファスは、ここぞとばかりにオレをベタ誉めしだすもんだから…
さすがに耐えきれなくなったオレは耳を押さえながら、ワーワー!と騒ぎ立てそれを遮った。
「そっ、そういうのやめろってば…」
何故?と首を傾げる様も、カッコ良いいだなんて。
コイツの意図せぬ誘惑に引っ掛かってたら、オレの心臓マジで保たないよ…。
「オレに自覚がないって言うけどさ!お、お前だって同じじゃんかっ…」
今だってコイツは、しれっとオレの手を握り締めてるし?口を開けば可愛いだの何だのと、ナンパな台詞ばっかペラペラと並べやがって…
オレが男じゃなかったら…や、男のオレでさえグッとキちゃうんだけど。
万が一女の子が相手だったら、みんな漏れなく勘違いして…あっさりと、恋に堕ちちゃうんだからな~!
なまじ顔が良すぎるんだし…
オレよか絶っ対ルーファスのが、タチ悪いよね?
「そうやってオレのことを、買ってくれてるのは嬉しいけど…さ。」
そんな目で見つめられ、おだてられるとさ…
「なんかお前に告白されてるみたいで、落ち着かないんだよっ…」
「ッ…!!」
一気に捲し立てると、ようやく事態を把握したのか…
ルーファスの表情が一変して。
瞬く間に上気し、耳まで真っ赤に染まっていく。
すると、さっきまでの強気な態度は何処へやら。
戸惑いを見せるルーファスは、途端に言葉を濁し始めた。
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