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④
「結局、こうなってしまうのか…」
オレとルーファスは今、ふたりっきりで城下町に来ていた。
─────何故かって?
…や勿論、ロロ達を誘いに行ったんだけどね。
急だったし、今日に限ってみんな用事が重なっちゃったみたいでさ…。
なら日を改めて~とか、どうしても行きたいなら護衛をぞろぞろを引き連れてく~だとか。ルーファスの過保護が、まぁた発動しちゃったもんだから。
最後はオレの我が儘をひたすら貫き通した結果…
押しの一手、なんとかしてふたりだけで出かけることに成功したわけである。
えへへ…
「セツ、私からあまり離れぬようにな?」
溢れかえる人の波に…既に流されかけてたオレの腕を、ルーファスが引っ張って。
オレは浮かれつつ、分かってるよ~と生返事する。
「そんな気を張らなくても、大丈夫だって。オレにはルーファスがついてるんだからさ!」
お前はオレのナイト様だろって、ぱちりとウインクを飛ばしたら。ルーファスは何故だか、不自然な咳払いをし始めた。
「唯でさえ、お前は目立つのだから…。くれぐれも正体を暴かれぬよう、充分に注意するのだぞ?」
「ハイハーイ。ほら~時間勿体ないし、早く行こ~よ!」
時間は限られてるし、次はいつ外出許可が下りるかも判らないんだからさ。
…と、引率の先生並に注意事項を述べ始めたルーファスの手をグイグイ引っ張ると、オレは賑わう町中へと軽快に繰り出した。
この世界には、色んな人種…いわゆる獣人やらエルフやら、それこそファンタジーな面々が一応存在し。普通に生活してるらしいけれど。
オレの世界ではポピュラーなはずの黒髪の人間は、全く見受けられない。
…いや、まず存在しないのだという。
もし存在するとなれば、まさしくそれが神子である証となり。となれば、必然的にオレが誰よりも目立ってしまうということになるから。
今はこうしてフードを目深に被り、頭を隠してるというわけなのだ。
友達には『地味なイケメン』なんて弄られてたオレが。まさか目立つだなんて言われる日が、こようとはねぇ…。
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