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「コイツは驚いたな…。まさか本物の神子を拝める日が来るとはよ。」 気持ち悪い─────… なんて目で、オレを見るんだろう。 蛇に睨まれた蛙か、追い詰められた鼠か…血走った男達の視線に堪らなくなり、全身へと鳥肌が走る。 これは多分、マジでヤバい。 なんとかして逃げ出さなきゃ、このままだとオレは────… 「だが神子が野郎だって噂まで、本当だったなんてよ…」 「ッ…!!」 グイと髪を掴まれ、無理やりに上を向かされて。オレが神子である証を確かめるよう、遠慮なく揺さぶられる。 痛みと恐怖に駆られるオレの身体は、無意識に震え始め…耐えきれず、目頭がじわりと熱くなっていった。 「…で、どうすんだ?野郎でもがあんのか?」 前例の無い噂話では信憑性が薄いのか…男達の中には、まだ疑う者もいたけれど。 こういう輩にとって事の真偽なんてものは、然して問題ではないようで… 「ああ?せっかくの獲物なんだぜ。そんなことは、」 “試してみればいい────” 言って男はニヤリと笑い、オレをまざまざと見下ろした。 瞬間、その場にいた者が皆、オレをであると再認識して。 「ああっ…!!」 我先にとばかりに、狩猟を開始する。 (いやだッ…助け、てっ…!) 痛い、怖い────… 抵抗しようにも…屈強な男達を前にしたオレは、あまりに無力なもので。 為す術無く、いとも簡単に纏う服を引き裂かれる。 (ルーファスっ…) さっきまで、ふたり街を巡って…あんなにも楽しかったのに。 どうして、こうなってしまったのか。 誰に問うも、それが自ら招いた結果なだけに。 ただただ悔しくて、涙が溢れる。 (こんな、やだよッ…) 男のオレが、行きずりの男達に犯される────… そう考えただけで、なんだか吐き気を(もよお)して。 オレを蝕もうとする男達の手は、べっとりと肌を虫みたく這い回り…身体は拒絶反応しか示さないから… ルーファスに触れられた時は、とてもあったかくて心地良く。何より優しかったのに… 私欲でしかない一方的な暴力は。 ただただ苦痛でしか、なかったんだ。

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