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ep.7 目覚ましナイトとプリンセス?①

『セツ…』 泣いてると、お前は必ず傍にいて。 オレをその腕で、優しく包み込んでくれる。 名を紡ぐ声は心地よく耳に響いて… 嫌なことも辛いことも、全部忘れさせてくれるんだ。 真面目で誠実、かといってお堅いのかと思えば… 意外と柔軟で、時に少年のように悪戯で。 オレをリードする姿は、そつなく紳士的で格好いいのに。変なとこで行動力はあるっていうか…スキンシップも何気に多かったり? 触れられる度、すごくドキドキしちゃうけど。 お前が与えてくれる熱は、むしろ嫌じゃないから。 離れてく度に、もう少しだけ…なんて。 ホントはずっと思ってたんだ。 (ん…) あったかい…なんてリアルな夢なんだろう。 まるでホントにアイツに触れられてるみたいで。 オレは迷わず、その熱へと引き寄せられる。 さっきまでは、とても不安で。嫌な夢を見てた気がするのに…。 夢の中でさえもお前は、オレを守ってくれるんだなって。それだけで、すごく穏やかな気持ちになれるから。 (すき、だ…) 例え此処(ここ)がゲームの世界でも何でも。 オレが男で、アイツも男だなんて現実も全部。 そんなものが、どうでもいいやって思えるくらい… オレはアイツを好きになっていく。 始めはあり得ない事だと無意識に思い込んでたから。きっと勘違いなんだって、どっかで否定してたんだろうけど…。 認めてしまえば、なんてことない。 『恋』とはまさにそういうものなのだと。 だって自覚しちゃったら… こんな簡単に受け入れらてしまえるんだから。 (オレって、こんなだったっけか…) 元彼女にさえ、ここまで想いを募らせたことはなかったかもしれない。 アリサちゃんのことは、初めての恋人だったし… 本当にちゃんと大好きだったけど。 今までのオレは、何をするにも半端者で。 夢中になれるようなことも、あまり無かったから。 いざとなれば、人はこんなにも変われるものなんだなって。正直自分でもビックリしていた。 それもこれも全部アイツに… ルーファスに、出会えたからこそ。 恥ずかしながらきっかけは、アリサちゃんにフラれたのが発端で。半ばヤケクソであのゲームをプレイしたからなんだけど…。 よくよく考えたら、あの瞬間から。 オレは“ルーファス様”に、ハマってたんじゃないだろうか? それでも、今のこの気持ちとは全く違う。 今ははっきりと、恋心を自覚してるのだし…。 この気持ちは絶対に、アイツには言えないけどさ。 ルーファスは、小さな頃から神子を崇拝していて… 世界を救う『聖女』という存在に、憧れてたんだと思うし。 きっと守護騎士になることだけを夢に、今まで生きてきたんだろうから。 だからアイツの、オレに対する優しさは。 きっと“神子”っていうレッテルありきのモノ、なんだろうな…。

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