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④
「だったらさ…これからちゃんと守ってくれればいーだろ?」
改めてルーファスを見据え、告げる。
「オレは自分で戦ったりは、出来ないから…」
昨日、己の身に起きた災難を目の当たりにして。
不本意だが神子としての実感が、ようやく出てきたのだけど…。
あの不思議な力も、その場しのぎだったようで。
騒動の後、光もいつの間にか消えてしまってたし。自由自在に操れるわけじゃなさそうだったから、いざって時にちゃんと機能させられるような自信もない。
あんな事が起こってからでは遅いし。
次もどうにかなる、なんて過信してたらまた痛い目見そうだしな…。
「オレにはさっ…お前が、必要なんだから。」
これからもずっと傍にいてほしい。
恥じらいながらも、切に懇願したならば。
ルーファスも、オレの気持ちを理解してくれたのか。少しだけ困ったように嘆息を溢したものの…次にはにこりと微笑んでくれた。
「ああ…今後何が起ころうと、私はお前の剣となり盾となり、全身全霊を以て守護すると誓おう。」
「ん…期待してる。」
オレだってお前に迷惑掛けないようにしなきゃ。
ルーファスにはもう、あんな苦しそうな顔、させたくないし…。
だからこそ軽率な行動は控えなきゃ。
紛いなりにも神子なんだし、これからは何をするにも充分気をつけてかないとだよな…。
そうお互いを励まし合う中で。
オレも密かに心の内で、誓いを立てていた。
と…そうこうしてるうちに、なんだかまた甘い空気になってきたので。振り払うよう、急いで支度を済ませたオレは。
後れ馳せながら朝食を取るため、ルーファスと一緒に1階へと降りたんだけど…
「セツ───ッ!!」
待ち構えていたロロが、オレを認めるなり猛ダッシュで体当たりをかましてきて。不意打ちをまともに食らってしまうオレは、よろけて倒れそうになるのだが…。
そこは咄嗟にルーファスが受け止めてくれたため、事なきを得る。
「いっ…痛いってば~、ロロ…!」
「あ、ごめんねセツ!怪我、してたんだよねっ…」
ならず者に暴行され、一夜明けて。
怪我の具合は思ったより軽かったのか、随分マシにはなっていたけど…。まだあちこちガタがきてたもんだから。ロロからの熱烈な抱擁を受けたオレは、堪らず小さな悲鳴を漏らした。
「昨日は本当にごめんねっ…ボク、ついて行かなかったから…」
守護騎士だというのに、自らの用事を優先してしまったことを、詫びるロロに。オレは笑ってポンポンと頭を撫でてやる。
「いいんだよ気にしなくて。これはオレの不注意が招いたことなんだし。」
気になってルーファスを見上げたら、ロロとおんなじ顔してるし…。そんな責任感じなくてもいいのになぁ。
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