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②
「あ──…でも、解るかも。」
オレにしてみれば、あの人は元恋人のアリサちゃんにしか見えないわけで。…んでもってその彼女にフラれたばかりなので、色々と複雑ではあるのだけど。
だからかな~…いまいちピンとこないんだよな~…アリシア様がこの国の女王様だって言われても。
なんだか性格まで似てるしさ。どうしても親近感が先に出ちゃうもんだから…つい立場とか忘れて、素で話しちゃうんだよね~。
…まあ、初対面にやらかしたのもあって、近衛騎士さん達には完全に目を付けられちゃったから。そういう意味での緊張感は、あるんだけども…。
「そういえば…セツの世界に、陛下と似た友人がいると、以前話していたな。」
「えっっ…」
思い出したようルーファスに問われ、ギクリと肩を揺らす。や、出来ればそこは触れないで欲しい話題なんですけどっ…。
「女王陛下に初めて謁見した時だね。あの時は随分と動揺していたみたいだけど?」
アシュレイがすかさず食い付いてきて、ふふっと悪戯な笑みを溢す。と…
「もしやそれは、友人などではなく…恋人だったりするんじゃない?」
『なっ…!?』
アシュレイの見事にど真ん中をぶち抜いた、爆弾発言に。絶句するオレ───と、何故か怖い顔のルーファス。
弾かれ顔を見合わせれば、なんとも気まずい空気が流れた。
「え、そうなの~セツ?」
「や、それはっ…」
こういった話題が好きなのか、途端にロロが目を輝かせて。オレは誤魔化す術もなく、あからさまに狼狽える。
更には…
「恋人、なのか…?」
「ッ…!」
ガシリと肩を掴まれ、いつぞやの鬼気迫る表情でルーファスに問い詰められれば…。
黙秘権など、オレに認められるはずが無いのであった。
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