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「あ──…でも、解るかも。」 オレにしてみれば、あの人は元恋人のアリサちゃんにしか見えないわけで。…んでもってその彼女にフラれたばかりなので、色々と複雑ではあるのだけど。 だからかな~…いまいちピンとこないんだよな~…アリシア様がこの国の女王様だって言われても。 なんだか性格まで似てるしさ。どうしても親近感が先に出ちゃうもんだから…つい立場とか忘れて、素で話しちゃうんだよね~。 …まあ、初対面にやらかしたのもあって、近衛騎士さん達には完全に目を付けられちゃったから。そういう意味での緊張感は、あるんだけども…。 「そういえば…セツの世界に、陛下と似た友人がいると、以前話していたな。」 「えっっ…」 思い出したようルーファスに問われ、ギクリと肩を揺らす。や、出来ればそこは触れないで欲しい話題なんですけどっ…。 「女王陛下に初めて謁見した時だね。あの時は随分と動揺していたみたいだけど?」 アシュレイがすかさず食い付いてきて、ふふっと悪戯な笑みを溢す。と… 「もしやそれは、友人などではなく…だったりするんじゃない?」 『なっ…!?』 アシュレイの見事にど真ん中をぶち抜いた、爆弾発言に。絶句するオレ───と、何故か怖い顔のルーファス。 弾かれ顔を見合わせれば、なんとも気まずい空気が流れた。 「え、そうなの~セツ?」 「や、それはっ…」 こういった話題が好きなのか、途端にロロが目を輝かせて。オレは誤魔化す術もなく、あからさまに狼狽える。 更には… 「恋人、なのか…?」 「ッ…!」 ガシリと肩を掴まれ、いつぞやの鬼気迫る表情でルーファスに問い詰められれば…。 黙秘権など、オレに認められるはずが無いのであった。

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