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⑥
「ルーファス様、此度の舞踏会へは勿論いらっしゃいますわよね?」
「…ぶとう、かい?」
つい反応してしまったのは、オレの方であり。
後悔して、内心舌打ちするも…
「パーティーへは、なかなかご出席して下さらないでしょう?ですから今回、ルーファス様がいらっしゃるとの噂をお聞きして。皆楽しみにしてましたのよ!」
オレが話題に食い付いたのを良いことに。ご令嬢達は逃がさないとばかりに、ベラベラと喋り始める。
そうしてまた状況は、振り出しへと戻されてしまうのだが…。
「舞踏会?そのような招待は、受けておりませぬが…」
ブトウカイって聞いて、まず格闘する方を思い描いちゃったけど…。今話題に出てるのはきっと、ダンスパーティーのことだよね?
どうやら、そういった賑やかな場が苦手らしいルーファスは。女性らの言葉に対し、少しだけ表情を曇らせたのだが…。
「まだ公 にはされておりませんが…きっと陛下から直々のお達しが、あるはずですわ。」
「なんでも先日の定例議会により、神子様と守護騎士様を大々的にお披露目する場を…との、意見が出たそうで。」
神子が召喚されたという事実は、今のところ非公開としているものの…既に周知の沙汰。国の命運を担う神子なのだから、それも致し方無いのだろうけど…。
なんだか逃げ道のなさそうな雰囲気に、不安が募る。
「ルーファス様がいらっしゃるのなら、舞踏会がとても待ち遠しくなりますわね~!」
そんなオレの不安など知らぬお嬢様達は、皆でウキウキと頬を染め上げて。
「その時はぜひ一曲~」と手を振り、優雅に去って行っていかれたのだが。
嵐の後の静けさに、思わずルーファスと顔を見合わせる。
「とっ…とりあえず、女王様のとこに行こっか…」
「…ああ、そうだな。」
なんだか嫌な予感しかしないから、正直行きたくなかったんだけど。立場上、それは絶対に叶わないだろうから。
オレ達は重たい足を擡 げ、みんなと共にアリシア様の元へと急いだ。
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