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「そっか、それで傷だらけなんだな。」 更に頭を撫でてやると、照れ臭そうにしながらも抵抗はしないジーナ。 ロロとは全くタイプが違うんだけど。 可愛い弟って感じがして、なんか構いたくなんだよなぁ。 オレはひとりっ子だったから、兄弟ってのにも少し憧れてたし。だからこういうたわいもない遣り取りって、嬉しいんだよね~。 年下に懐かれるのも、悪くないしさ。 「ま、こんなの怪我に入んないけどな!オレ、もっともっと修行して…ルーのヤツを、いつか絶対負かしてやるんだ!」 気合いのガッツポーズで、勝利を誓うジーナ。 そんな彼をじっと見ていたヴィンセントが、徐に口を開く。 「ちょうど良いので、ジーナに協力してもらいましょうか。」 『へ?』 名指しされたジーナとオレが、揃って疑問符を浮かべると。ヴィンセントはにっこり笑顔で答える。 「先ほど貴方が言っていたでしょう?それならば実際に試してみるのが、最良というものですよ。」 「あ~…なるほど。」 言われて気付き、ジーナに向き直る。 都合の良いことに、傷をいくつも(こしら)えてきたジーナは。オレの魔法の実力を知るには、まさに恰好の実験体…ってわけで。 「なぁ、俺すっげぇ嫌な予感すんだけど…?」 ジーナが表情をひきつらせるのに対し、なんとも胡散臭い笑みを溢すヴィンセント。 「良かったですね~ジーナ。貴方の傷を、セツ自らが治して下さるそうですよ?」 神子の恩恵を最初に受けられるとは、羨ましい限りですね~…なんて言って。有無を言わさぬ圧をかけてくるヴィンセント。 それには若干怯んでしまったジーナだったけど…。 「わーったよ、別になんもねぇだろうし…」 これもセツのためだし…そうジーナは仕方なさそうにしながらも。なんだかんだと快諾してくれるのだった。 くぅ~ジーナのツンデレさんめ!ホント可愛いヤツだなあ~。

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