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「セ───」 「ロロ、一緒に散歩にでも行こーよ!」 「えっ…うん、良いけど…」 オレの回避行動は、誰がどう見ても…あからさまだった。 神淵(しんふち)の森での一件から目覚めたのが、昨日の話で。ルーと色々あったのは…推して知るべし。 あれからオレが意識しまくってるのを誤魔化すため。怒ってるフリをしながら、ルーファスのことを避け続けてたんだけど…。 それは今も現在進行形で、継続中なのである。 だってさ~…あれは実際に、ルーが悪いと思うんだよね。男相手に、いきなり触っていいか?…なんてさ。 しかもあんな、女の子にするみたく変な触り方…するもんだから。そりゃ、ヤラシイ声も出ちゃうって話ですよ。 おかげで片想い拗らせてるオレは、更にルーにドキドキしまくっちゃうし…当然みんなも気付いてるだろうから。 こんな風に避けるのは、良くないとは思うんだけど…そう思いながらも、どうしたって気持ちが追い付かないんだから。ついつい逃げちゃうんだよね…。 「え、と…」 オレに無視されたルーが、悲しげに項垂れるのを見て。板挟み状態のロロが…困ったよう目を泳がす。 こんな遣り取りが、昨日からずっと続いていたため。巻き込まれた者は皆、一様に溜め息を漏らしていた。 「さあて、困ったもんだねぇ~…」 ルーの沈みようを見かねてか、アシュが態とらしく肩をすくませて。 「根本的な問題を解消した方が、宜しいのでは?」 同意見だと謂わんばかりに、ヴィンも解決策を投じる。隣のジーナもウンウンと頷いた。 「…で。セツはどうして、ルーファスを避けているんだい?」 「うっ…」 この流れならそう来るだろうと、逃げる体制を取ってたのに。 先手を取られ、ポンッと肩に重圧が落とされる。 諦めて恐る恐る振り返れば…アシュの極上スマイルとぶつかってしまい。 その笑顔、逆に怖いんですけど…。 「何があったかは、知らないけど…ねぇ?」 アシュの視線に釣られて盗み見れば、いたたまれぬルーの顔が目に留まり。まあ、オレが原因なんだけど…すっかり落ち込んでしまってるご様子で。 解ってるけどさ~、こればっかりは… 「喧嘩でもしちまったのか?」 ならさっさと仲直りしちゃえよ~と、軽く笑い飛ばすジーナ。彼なりに気を遣ってくれてるんだろうけど、そんな簡単じゃないんだよね…。 「別に、喧嘩じゃないよ…けどっ…」 まさか、オレがルーを好きで…意識しちゃうから避けてるんだ────なんてことは、言えるハズもなく。オレはモゴモゴと口ごもる。 そんなオレを逃さぬよう、みんなで囲むもんだから。オレの心は更に追い込まれ…思わず尻込みするのであった。 「けれどこのままじゃ、お互いにも良くはないし。ロロ達にまで気を遣わせては、可哀想だろう?」 「うう~…ゴメンナサイ…」 そう言われても、どう答えたら良いのか判らず泣きそうになるオレを。アシュは優しく宥めてくれて。 「これも良い機会だし。本人に言い難い事なら、僕達も相談に乗るから…ね?」 アシュに諭され、どうしようかと考えあぐねていたものの。なんとか気持ちを整理して…だけども色々バレないようにと。 かい摘まんで説明しようと、思ったんだけれど───

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